長編(メインストーリー沿い)番外編
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この小説の夢小説設定twstメインストーリーの番外編なので、学園での呼称が多いです。
一応設定方法も長編と同じ表示にしてるので、同じように入れていただくと同じような感じで読めるかと。。
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「やっと乗れる。たのしみ~」
『全く……さっきまで飽きたからここを出ると言っていたのに』
数分ほど待つとエディシアたちの番となった。
フロイドの表情は先ほどの不機嫌さが嘘のように晴々としている。
その様子をエディシアは怪訝そうに見つめた。
アトラクションに乗る前にちょっとしたストーリーの演出が披露された。
これから乗るアトラクションの臨場感をより高めるためである。
「搭乗前の演出と同じく呪いでエレベーターから落下するといういきさつなんですね」
『はい。まぁあれは演出なので、僕らはこのあと奇跡的に生還するってことになるんですけどね』
「真ん中の席は言い出しっぺのフロイドが座ればいいでしょう」
「マジでど真ん中じゃん。いいよオレここに座りたい」
アトラクションの座席配置はバスのような造りとなっており、唯一のセンターをフロイドが座ることとなった。
同乗するメンバー全員が着座しロックされたことが確認されると、荷物についてなどの軽い注意事項が説明され、間もなくアトラクションは上へ上へと上昇を始める。
その時の初動がガクンという音と共に突然上昇と下降を始めたので、各席から悲鳴があがった。
しかしその悲鳴には、「ついに始まった」という期待や嬉々とした感情が含まれているのを誰もが自然と感じた。
「エディシアさん?まだ上がるんですか?」
『まだまだ上がりますよ』
「おお~~!」
『先輩、荷物!』
際限なく上がっていく様子にジェイドがたまらずエディシアに訊ねた。
返答を聞いたジェイドとアズールは言葉を失い、フロイドは長い足を畳みつつ上下に動かし喜びを表したことでエディシアが慌てて嗜めた。
うっかり足の隙間から固定している荷物が飛び出てしまってはアトラクションどころではなくなってしまう。
かなり上がったであろうあたりでアズールが呟いた。
「さ、さすがにそろそろ……、…?」
「たけぇー!」
「おやおやおやおや……」
『くる……!』
ピタリと上昇が止まったかと思えば夢の国を一望できる大きな窓が出てきた。
眼下に広がる夢の国はまさしく異世界。しかしエディシアたちが乗っているこのアトラクションは絶景をいつまでも眺められる物ではなく、絶叫系だ。
各々のリアクションと同時に、エディシアの楽しみにも恐怖にも取れるような声色の一言を皮切りにそれは始まった。
「「「『うわあああああ!!!!』」」」
落ちる、落ちる。どんどん落ちていく。
荷物が飛ばないようしっかり力を入れているはずの足も浮きあがる。
先ほどの絶景で、あの高さから落ちているというスリルが植え付けられたことにより恐怖をさらに助長させていた。
しかし一度落ちてしまえば終わりはすぐにやって来た。それだけ落下速度が速いということだ。
「超おもしれ〜〜〜!!」
「こ、これは……想定以上だ……」
「おやおや…おや………おや……」
『ジェイド先輩が鳴き声しか出せなくなってしまった』
アトラクションを降りる際、フロイドは大層お気に召したようで目をらんらんと輝かせた。
説得をしてまで待った甲斐はあったようだが、アズールとジェイドは放心状態となってしまった。
周りと同じように出口へ向かい始めたので状況は見えているようだ。
「ふふふ、少々お手洗いへ行ってきます」
「僕は木陰で一息つきたいです……酔い止めは事前に飲んだんですが……」
「あはぁ。ジェイドとアズール、だめだめじゃーん」
『ではアズール先輩のところを集合場所にして、僕とフロイド先輩は飲み物を買って来ましょうか』
「んー、いいよぉ。ここでしか買えないものもありそうだしブルーテトラちゃんに教えてもらお。てかさっきの!やばかったね!ぐわーって!」
屋外へ出ると、ジェイドは穏やかであるものの終始胸に手を当てており、アズールは今にも気絶しそうな様子で休憩を求めた。
エディシアはエディシアで、フロイドから先ほどの感想や他の乗り物についてマシンガンのように浴び、時には返答を求められるはめとなる。