長編(メインストーリー沿い)番外編
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この小説の夢小説設定twstメインストーリーの番外編なので、学園での呼称が多いです。
一応設定方法も長編と同じ表示にしてるので、同じように入れていただくと同じような感じで読めるかと。。
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「ただいまー」
「2人ともおかえりなさい」
『ようやく来た……』
[#da=1#]とジェイドの読みは外れ、数分ほどでトイレに行っていたアズールとフロイドが戻って来た。
しかし待っていたジェイドはニコニコとほほ笑み、[#da=1#]はげんなりと表情に運泥の差が生まれている。
「なぜ待っている[#da=1#]さんが疲れた顔をしているんです?」
「喉が乾いたようです。近場で買える飲み物がなくて」
「なかったっけ?乗る時間までに干からびない?」
『大丈夫です…予約時間までの間、こういうのなんてどうでしょうか』
[#da=1#]はジェイドの写真を撮っていただけではあるが、嬉々として映るジェイドを見ているうちに、本当に仕返しとして使えるレベルの素材写真なのだろうかとモヤモヤを募らせていたのである。
結果余計な考え事によって妙に疲れ、とりあえず早く2人が戻って来てほしいと念じ続けていたが、そんな理由を[#da=1#]の本当の素性を知らない2人に話せるわけもない。
さっさと別の話題でごまかすべく、[#da=1#]は次に向かうアトラクションの画面を3人に見せた。
「これは……音楽ステージのようなものでしょうか」
「まさしく下調べで知ってから行ってみたいと思っていた場所の1つですよ」
「音楽ステージなんて麓の街でもやってんじゃん」
『先輩、ここは夢の国ですよ。このステージでは魔法に負けない技術を楽しむことができるんです』
「ふーん?」
アズールはテーマパーク以外でも行われるようなものだからこそ気になっていたようである。
フロイドは若干怪訝そうな顔をしたが、案内役の後輩と下調べ万全の幼馴染の様子を見て従うことにした。
場所はあとで乗る縦長のアトラクションの近く。再び歩くことにはなるが、日常には無い景観や周囲のキャラクターたちを見ながらの移動なので、フロイドが飽きることはまだなさそうである。
「扉が開くまでこちらでお待ちくださ~い」
「わ~なんかいろいろある」
「待機場所も装飾が凝っていますね」
「ふむ………これまで乗ったアトラクションでも思いましたが、始まるまでの間も世界観がしっかりされていますね。移動や待機している間も退屈させないことと、これから乗るアトラクションへの期待度をより上げる工夫が伺えます」
『そうですね。たいてい待っている間は、内装の撮影をしたり眺めながら雑談をしています。海賊のアトラクションのときも先輩たちキャッキャしていたでしょう?あそこも映画の中に入り込んだようなリアルさがありましたからね』
[#da=1#]の提案したスポットに到着すると、4人は建物の中へと案内された。
そこには他の来場者たちも待機しており、各々壁の装飾品やケースに入っている作品を眺めている。
やがてそう長く待たされることなく扉が開かれ、4人含む来場者たちは奥へと進んだ。
全員が着席するとパフォーマンスが始まり、所要時間は10分以上あるはずだがあっという間に終わった。
『久々に見たけどやっぱりおもしろいなぁ』
「まさか嗅覚や触覚まで体感できるとは思いませんでした」
「あの香りのフレーバーはどうやって用意しているんでしょう。あれも魔法の一種なのか……?」
「あのアヒル最後まで何言ってんのかわかんねぇし散々でおもしろかった!映像も魔法じゃないのにすげー。ブルーテトラちゃんの言ってたとおりだったわ」
『そうでしょう。派手な絶叫系でなくても、ああいうふうにどれでも楽しめるんですよ』
建物を出た4人はそれぞれ感想を述べる。
アズールは自分の物にできないかパフォーマンスの仕組みを思案し、さっきまで半信半疑だったフロイドは上機嫌だ。
音楽を楽しみつつ映像が飛び出る仕組みにもなっており、フロイドはそれが気に入ったようでぼんやりと呟いた。
「あのサングラスほしいな。ホタルイカ先輩なら作れるかな」
「あの方ならありえますね。戻ったらさっそくお願いしてみましょう」
「それはいい!量産できるようになれば間違いなく儲かる……!多少の分け前を割くことになるが他の要素で補うというのも…………その交渉、僕も同行します。同じ部活で顔を合わせているほうなので、話を聞いてもらいやすいでしょう」
『突然の悪徳商人とギャングが何も知らないイデア先輩を襲う……』
「ブルーテトラちゃん、何か言った?」
『なんでもありません』
フロイドの呟きにおもしろい予感を察知したジェイドが乗っかり、さらに金儲けの予感を察知したアズールも乗り気になってしまった。
[#da=1#]はイデアを憐れに思ったが、あいにくいつでも自分を犠牲に人助けするのが生きがいというわけでもない。
今は我が身かわいさに保身に走ることにした。