4章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「何やってるんだ君らは…」
『あー…さかさまごっこ…?』
逆さまになったアズールと[#da=1#]の様子をジャミルに見られ呆れた様子の視線を送られる。
カリムと[#da=1#]が同じ部活ということもあり、カリムの回収や宴で[#da=1#]もジャミルとは面識があった。
以前はマジフト大会の犯人捜しで情報提供に協力してくれた事もあった。
『アズール先輩…戻れないです…』
「は!?」
ここで緊急事態となった。
箒の操作をしている[#da=1#]が逆さまから戻す方法がわからないと言い出した。
2人乗りも逆さまになってしまうのも初めての経験で戻すイメージがなかなかできないのだそうだ。
『そして握力が…限界…』
「待ちなさいそのまま降りられないんですか」
『…無理…』
「!うわっ!」
頭に血がのぼり、体力の限界も迎えついに[#da=1#]の体が箒から離れてしまった。
操縦者が離脱したことでバランスを崩しアズールも落下する。
2人は地面に叩きつけられる覚悟で目をギュッと瞑った。
「危なかった…」
『…ジャミル先輩…!助かりました』
「痛むところはないか?」
『はい。おかげさまで』
「2人とも無事だな?筋肉が足りないくせに無茶をするんじゃない!」
「『すみません…』」
強い衝撃ではなく人の感触という違和感に[#da=1#]が目を開けると、ジャミルが[#da=1#]を受け止めていたことが発覚した。
ジャミル本人へのダメージも少ないことから、カリムの従者というだけあって人命救助のための動きも受け身もそつがなかったことが伺える。
アズールは教師のバルガスが救出したようだ。
『…寮長の腕力に殺されるかと思ってたらとんだトラブルでしたね』
「本当に…僕はあなたの操縦ミスに殺されるかと思いましたよ…!」
「アズールのペアになるなら飛行術に長けている生徒でないと同じことが起きるかもしれないな」
無事怪我もなく生還したアズールと[#da=1#]は深いため息をついた。
頭から真っ逆さまに落下はさすがに肝が冷える。
「後ろに人を乗せての飛行は初めてだろう?1人乗りと感覚が変わるから、2人乗りになった途端ああなる生徒は多い」
『そうなんですか。尻尾が制御されるので余計バランスが掴みにくくて…』
「それは…慣れしかないな」
『ですよねぇ』
操縦のしずらさの原因が尻尾となるとさすがにどうしようもないようだ。
他の獣人の2年生たちは問題なく飛んでる人、どうにか飛んでる人、[#da=1#]と同じように逆さまになる人もいた。長い尻尾の生徒でも飛べてる人はいるので、慣れない人は慣れないのだろう。
普段尻尾でバランスを取りながら生活しているのが当たり前なので無理もない。
「次は軽くグラウンド一周してみろ!上下操縦がうまくいかない組はできるまで練習!」
「それじゃ俺たちは行ってくる。君は運が悪いな…」
「まったくですよ…」
「[#da=1#]に話してるんだが…アズール、君はいい加減どうにかした方がいいぞ。進級に響くかもしれないんだし。それじゃあな」
そう言ってジャミルはペアの1年生とまた箒にまたがり飛んで行った。
箒の扱いのスムーズさは同じ2年生のアズールとは大違いである。
他の組も次々と移動を始め、残ったペアは片手で数えられる程度しか残らなかった。
『…まさか寮長の弱点がここで判明するとは』
「陸での生活を始めてまだ2年ですよ?歩行できているだけでも褒めていただきたいくらいです」
『たしかに…ってことはあの双子も飛行術は寮長レベル…?』
「そのうち他の生徒からの話や僕みたいに合同授業で見られると思いますよ」
[#da=1#]に新しい楽しみができた。散々デカイ顔をしてきた人魚たちのあられもない姿が見られるかもしれないのだ。
ジェイドのユニーク魔法実演会よりずっとおもしろいに違いない、と胸を躍らせた。