3章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『だから大丈夫だって』
「痛そうにしてたじゃないか。今更戻らないからな」
オクタヴィネル寮廊下、現在[#da=1#]はデュースに肩を支えられ部屋まで向かっていた。
何度断ってもついていくと言って聞かなかったのだ。
『…で、何?』
「は?」
『何の話なのか聞いてるんだよ。どう切り出そうかって考えてるでしょ』
「えっそんなにわかりやすかったか…?」
『普段から顔に出すぎ』
そう返されたデュースは「うっ…やっぱりそうなのか…」といかにも図星ですという顔をした。
「やっぱり」ということはすでに周りから指摘されていたのだろう。
少しして彼は言葉を選ぶようにポツポツとこぼした。
「その…お前が来てくれて助かった。あれでキングスカラー先輩のときも止めたんだな」
『どういたしまして。お礼なら限定販売のプリン3つね』
「あれまぁまぁいい値段しなかったか?」
『じゃあ僕の代わりにラウンジのシフト出てもらおうかな』
「好きなだけ奢らせてくれ」
お礼を言うのであれば何かもらってもいいだろう、と[#da=1#]から報酬を要求されたデュースは慌ててプリンの方を選んだ。
この様子だと、しばらくはどんなに金欠でもラウンジにバイトをしに来ることはなさそうだ。
「…でもまた[#da=2#]が一番怪我しちまった」
『へぇ、心配してくれるんだ?』
「この空気でそんなニヤニヤするか!?」
『はは、冗談』
デュースは人間のはずなのに垂れ下がった尻尾と耳が見えるかと思うほどわかりやすくしょんぼりする。
あからさまに表情が暗くなるデュースを見て[#da=1#]はいたずら心が働き彼をからかった。デュースが無理言って同行しただけで、自力で部屋へ戻ることが可能な体力を持ってはいるのだ。からかう元気も残っている。
『……知り合いでオーバーブロットとなるとほっとくわけにもいかないからね。最悪の結果になったら後味悪いじゃん』
「……でもやっぱり、ただの喧嘩じゃねぇのにダチがこんなんばっかりなるのは、オレは嫌だ」
『…ありがとう。まぁオーバーブロットなんて続くことがまず異例だから大丈夫だよ。その分しっかり当事者に貸しを取り付けられるしね』
「………ははっ。それもそうだな。基本的にはあの魔法使わないんだろ?」
『そりゃね。だから次使う頃には発動のさせ方忘れてるかも。…それじゃあもう大丈夫だから。おやすみ』
「あ、ああ。おやすみ」
結局部屋の前までデュースが付き添う形となった。
最後も「痛み止めや湿布はあるのか?保健室からもらってくるか?」と心配していたが、[#da=1#]は『このくらいなら目覚めてから考える』と返してユウたちの元へ戻るよう促した。
そろそろカップの持続効力も無くなりそうなので後回しだ。出血も骨折もしていると感じるほどの痛みは現状無いのでとりあえずは問題なさそうだ。