3章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『………それなら大丈夫そうですね。いいですよ、乗りましょう』
「よし。交渉成立だ」
レオナの作戦はアズールをVIPルームから移動させ、そこでラギーが金庫の鍵を拝借。アズール不在の間に金庫の中の契約書を持ちだしてレオナが”キングス・ロアー”で処分する、というものだった。
[#da=1#]はアズールを移動させる役割。実際に手を出す事はないのでリスクは一番少ない。
「それじゃあラギー、やれ。頭だけでいい」
「あいあいさー!」
『うわっ…何するんですか!』
「演出は必要だろ」
レオナの合図でラギーが[#da=1#]の帽子を外し髪をわしゃわしゃと乱し始めた。
この騒動を止めるために奮闘した、という建前があったほうが説得力が出るとのことだ。
「…よし、こんなもんでしょ」
「ああ。上出来だ」
『…どうなってるのかわからないけどすごく直したい…』
「後でいくらでも直せばいい。襟やボウタイもてきとうにずらしとけよ」
『はいはい』
「おうお前ら、もっと注文してもいいぞ。金は気にするな」
「ひゃっほーー!王様バンザーーイ!!」
「肉!肉!!」
[#da=1#]は言われた通り襟は片方を立たせ、ボウタイを少し緩めつつグイッと位置をずらした。
さらにストールも左右の長さをずらすと「よりそれっぽくなった」という評価が出たのでアズールの元へ向かう。サバナ寮生の集団を迂回しながら。
『……失礼します…』
「…!?[#da=1#]さん!?ボロボロじゃないですか…!」
『さすがに数が多すぎて無理です…ちょっと現場来てくれませんか?地獄絵図ですよ』
「やれやれ…わかりました」
アズールはヨロヨロとVIPルームに入って来た[#da=1#]の様子を見て現場のひどさを感じ、特に疑う様子も無く同行した。
まぁ現場は実際ひどかった。[#da=1#]自身正直また向かいたくないというのが本音だ。
「な、なんです。開店直後だというのにこの混雑状況は!?」
『もうあちこちで肉や食べ物の取り合いですよ』
「たしかにひどいですね…これを1年生1人で対処させるには酷でした。僕もまわるので[#da=1#]さんは1番テーブルの方からお願いします」
『わかりました』
状況を理解したアズールは「道を開けてください。通ります!」と言い集団の中へ進んでいった。
入れ替わりでレオナとラギーが集団の中から出てきてVIPルームへと向かうのが見えた。鍵の拝借に成功したのだろう。
「あの獣人スタッフボロボロじゃねぇか。ははは!おい、肉はまだかよ!」
「オイ…たしかこいつヤバいって噂の白猫じゃねぇか?リーチ兄弟とも繋がってるらしいし刺激すんのはやめとけ」
「え…そうなの…?」
アズールが[#da=1#]にしかけた数々の襲撃が話題になっていたようだ。
かなりの頻度で騒ぎがあったためクラスメイトが「誰を怒らせたんだよ」と[#da=1#]をからかったこともあった。
高見の見物で楽しんでいる様子に、[#da=1#]はどうやって身代わりにさせようかと何度も考えたものだ。