1章
お名前編集はこちら
この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『失礼します』
「…お!なになに見学者!?いらっしゃい!」
植物園事件から放課後、エディシアは軽音部の部室を訪れた。
入学当初から軽音部に入ると決めていたのだ。
「あれ?もしかして部活見学か?」
『いえ、入部希望です』
「えーほんと!?あのライブ見て入部決めてくれるとは正直思わなかったよ~」
『え…見てなかったんですけど、そんなにひどいライブだったんですか…?』
「何を言う。最高のライブじゃったぞ!」
「まぁとりあえずお前もここ座れよ。一緒にお菓子食おうぜ!」
部室には前髪をポンパドールにしてまとめた明るい生徒、煌びやかな装飾やターバンを身につけた生徒、かわいらしい顔立ちで変わった口調の生徒の計3人だ。
ポンパドールの生徒はハーツラビュル寮の3年ケイト・ダイヤモンド。
ターバンの生徒はスカラビア寮寮長の2年カリム・アルアジーム。
かわいらしい生徒はディアソムニア寮副寮長の3年リリア・ヴァンルージュ。
いずれも1人1人のキャラが濃い。
入部希望であることを聞いた3人は快く迎え入れた。
「ねね!記念に写真撮ろうよ!」
『写真ですか…』
「もしかして写真苦手だった?そしたらSNSにアップしないのはどう?」
『…絶対に守れます?』
「これでもけーくん、その気持ちわからなくもないというか…そういうのには結構慎重になれるから安心して。…って言っても、初対面相手にそんなこと言われても信じられないだろうけど」
『……わかりました。いいですよ』
「ありがとー!それじゃいくよ……うんうん、みんな盛れてる!とりあえずワイヤレス共有しとくね」
『ありがとうございます。……では、先輩たちは今の写真の削除をお願いします。ゴミ箱からも完全削除で』
「「「えええ!?」」」
『だって初対面でいきなり信じろなんて……そのうちお渡ししますので』
「そんなぁー!」
写真を受け取ったエディシアから削除するよう言われた3人は目を見開き、カリムの悲痛の叫び声が響きわたる。
ケイトも始めこそ渋るも、「今しがた顔を合わせたばかり。これから仲良くなればいいではないか」とリリアの言葉で残りの2人も削除を選択した。
部員は他におらず3人で活動しているらしい。
活動といってもほぼ憩いの集まりとなっており、部活らしい部活はしていないのだそうだ。
「おぬしはできる楽器はあるのか?」
『ある程度は…ピアノは自信あります』
「すごいな!そうだ、俺の寮に熱砂の国の楽器があるから来ないか?宴をしよう!」
「いいね!新入部員歓迎会も兼ねて!」
「そうと決まれば今すぐジャミルに伝えてくる!また後でな!」
そう言ってカリムは部室から飛び出して行った。
まるで嵐のような人物だ。
「宴で演奏するなら、景気よくわしのシャウトも披露するかの」
『しゃうと』
「こ、こっちの話!気にしないでー!」
その日の夜はスカラビア寮にて急遽宴が行われ、珍しい楽器や音楽、料理に囲まれ時間はあっという間に過ぎていった。
解散する前にケイトがエディシアに声をかける。
「エドちゃん、連絡先交換しよ!軽音部のトークグループに誘ったげるよ」
『ありがとうございます。おねがいしま………あれ…?』
「ん?どうした?」
『おかしいな…どこかに忘れてきちゃったみたいです』
「ふむ、寮の部屋かの?」
『いや、一度戻りましたけどそのときは使ってなくて………あっ』
『(植物園…!)』
最後にスマホを触ったのは植物園での昼休みだった。
ロックは設定してあるものの、よりにもよってあのタイミングと場所だったとは…と落胆する。
連絡先の交換は後日行うことになった。