2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「よう」
『ジャック…おはよう』
後日、ジャックは教室に向かう[#da=1#]に声をかけた。
人通りの少ないところへ移動し、周りを確認するとジャックから口を開いた。
「目が覚めたんだな。その…助かった」
『こちらこそ、君の情報がなかったら行き詰ってたと思う。ちなみに…僕を運んだのはジャックって聞いたんだけど』
「あぁ。そうだ」
ケイトからは、運ぼうとしたがジャックが「やっぱり俺がやる」と言って運んで行ったと[#da=1#]に話していた。
ジャックに移動を促されたあたりで察していた[#da=1#]は、そのことも本人に聞いてしまおうと考えていたのだ。
『ジャックにお願いしないといけないほど重かったのかなと思って』
「いや、他寮のお前らに手伝ってもらったんだからそのくらいはやらないと俺の気が済まなかっただけだ」
返ってきたのはなんとも義理堅い答えである。デュースと同じように嘘が苦手そうだ。
[#da=1#]はケイトに優しい嘘をつかれていたわけではないと知り少し安堵する。
しかしジャックの次の言葉で安堵から緊張感に変わった。
「それよりお前は何なんだ。俺は狼だ。鼻はレオナ先輩たちよりも優れてる自信はあるぞ」
『……やっぱり…』
猫科のライオンには主に魔力探知能力ではあったが見抜かれたのだ。犬科…それも狼に密着状態で居続けて怪しまれなければ、猫の用意した魔法薬がそれだけ優れていたかそこの狼の鼻がよっぽどイカれてるかだ。
「運んでるうちに何かを上塗りしてるような、そんな違和感の匂いで変に思って集中したら香水に紛れて魔法薬に帽子とパーカー…匂いが多すぎる。そのうち抱えてる感覚も違和感を感じてきて途中動けなかったんだからな。オレは何かとんでもねぇ爆弾を抱えてるんじゃねえかって」
『……このことは誰かに話した?』
「いいや、まずは本人に確認した方がいいと思って…もう一度聞くぞ。お前は何か隠してる。本当はここにいちゃいけない人間なんじゃねぇか?」
ジャックは確信を得ているほどではないが、おおよその検討はついていそうな様子だ。
[#da=1#]は少しの間黙り、それを聞いてどうするのか尋ねた。
「……アンタがここにいる理由次第だな」
『へぇ、ほっといてくれるんだ。それはありがたい』
「理由次第だって言っただろ。もし学園に何かするつもりで来たんなら容赦はしねぇ」
『そんな悪の組織みたいなことしないけど…ただ自分がここを卒業できればいいだけだよ。だからジャックはいつも通り過ごしてていいから』
「グルルル…!」
ジャックは[#da=1#]を睨めつけ唸り声をあげる。ワケを聞くまではここから逃がさないと言わんばかりの出で立ちである。
観念し、[#da=1#]は誰にも聞かれないためにスマホに打ち込みジャックに見せた。
内容を確認したジャックはなんとも言えない顔をしながら言葉を発した。
「つまり…お前は自分のためでもないのにこの緊張状態を4年も続けるということなのか?その…着たいもの着たり、好きなことをしたいはずだろ」
『自分のためではあるよ。でもそうだな…僕に協力してもらおうか』
「は?なんで俺が」
[#da=1#]もタダで引かなかった。
ジャックの言動をいいように捉えていいように引き込むことにしたのだ。
『だって絶対話せって脅してくるから。自分から聞き出したからには同じ学年だし、卒業まで付き合ってもらわないと』
「は!?」
『嬉しいなぁ、心配までしてもらえて。そんなに手伝いたいならお言葉に甘えさせてもらうよ。ありがとう』
「いやさっきのはそういうつもりじゃ…」
『一緒に拳を交えたしレオナ先輩との激闘も共にした戦友でもあるじゃん。卒業できるのかも見てみたいでしょ?毎日昼ご飯奢ってあげるし。ほら、握手』
「う…いや……………ああクソ!」
追い込んだはずが追い込まれたジャックはやけくそ気味に大きな手で握手に答えた。
これで貴重な協力者ができたことになる。
成立したところで『ちなみに』と[#da=1#]が続けた。
『告げ口したら君もあることないこと吹き込んで退学に巻き添えにしてやるから』
「お前も脅してるじゃねぇか!」