2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「それほどの力があって、何故こんな事をする!」
「何故…?理由なんか聞いてどうする。俺を叱って、慰めてくれるって?」
1年生が各々動いても寮長クラスに手が出ないのは目に見えているので、リドルとケイトを中心に1年生がサポートをする形で挑む。
しかし防衛魔法が得意なだけあってなかなか攻めきれずにいた。
「実力があったって、努力したってどうしようもねぇことがこの世の中にはいくらでもあんだよ。現にラギーはこの俺に手も足も出ねぇ。可哀想に。憐れだよなぁ…」
「はっ…ぐぅ…っ!」
「もうやめねぇか!!"月夜を破る遠吠え"!」
呼吸がままならないラギーの体はもう限界に近いはず。
どうすればレオナの隙を作れるか…そう考えているとジャックが呪文らしきものを唱えた。
突如として目の前に大きな銀色の狼が現れる。
「あれは…!?」
「巨大な、狼…!?」
『もしかして変身?』
「なんだと!?ぐぁっ!」
「レオナに隙が出来た!"首をはねろ"!」
「ぐあぁっっ!!」
狼に変身したジャックがとびかかったことでレオナがよろめく。
そこにすかさずリドルが放ったユニーク魔法でレオナの魔法を封じることに成功した。
「がはっ!ゲホゲホッ…!」
「リドルくんさすが!」
「ラギーからも手が離れたぞ!早くこっちへ!」
「セベク、俺たちは他の怪我人を外へ運び出すぞ」
「偉そうに僕に指図するな、シルバー!」
『…先輩、動けますか?』
「家猫く、ゲホッ…」
ラギーが解放され急いで移動するよう促す。
一気に空気が入って来たからか苦しそうによろめいていたので、[#da=1#]が肩を貸しに駆け寄り移動の手伝いをした。
「レオナ先輩…俺は…俺は!あんたに憧れてこの学園を目指した!俺の憧れたあんたは、どこにいっちまったんだ!?」
「勝手に俺に夢みてんじゃねぇ…うぜぇな…」
「ボクも人のことを言えた義理ではないけどね。今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい!」
「……お前らになにがわかる?兄貴みてぇに俺に説教たれてんじゃねぇよ…」
やはりジャックはレオナを尊敬していたようだ。ショックを受けている様子が伝わる。
しかしジャックとリドルの言葉には一切響いていないようだった。
そこにさらにリリアが口を開いた。
「フン。お主のような男には、王冠より首輪が似合いじゃ。サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ。」
「…あぁッ!?」
「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いておるようだが…報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。その程度の器で王になろうなどと…我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる」
『リリア先輩…』
リリアは茨の谷の次期王であるマレウスの側近を務めている。
国を統べる人物を近くで見てきて支えてきたからこそ思う部分があるのだろう。
その様子はいつも学園で見かける陽気なリリアとはかけ離れていた。
「たとえマレウスを倒したとて、その腐った心根捨てぬ限り…お主は真の王にはなれんだろうよ!」
「は、はは…アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ……はははは!俺は絶対に王になれない……どれだけ努力しようがなァ……!」
突如全員に寒気のような、妙な感覚が襲った。
併せてリドルが魔法封じが持続できないと言って顔を歪ませる。
「この邪悪な負のエネルギー…まさか!」
「みんな、伏せろ!」
「「『!!!!』」」
ケイトの掛け声で全員身構える。
すると、レオナがリドルの魔法封じを吹き飛ばしてしまった。
直後にまた先ほどよりも強い息苦しさが、重力で押し付けられるような強い不快感を覚える感覚が襲ってくる。
「俺は生まれたときから忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。どんなに努力しても、絶対に報われることはない。その苦痛が、絶望が…お前らにわかるかぁアアアッ!」