2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「エディシアさんの尻尾は問題なさそうですし、フロイドも機嫌がいいようですね」
『さすがにまたやられたら転寮してやりますけどね。…………!?』
ジェイドが終わったことのような言い方に対して、エディシアが答えながら自分の皿に盛られた最後の唐揚げを口にすると硬直した。
目を見開き、尻尾の毛が逆立っている。
それを見たアズールがエディシアに声をかけた。
「なんです?舌でも噛みましたか?」
『………辛い……!!』
「おやおや」
「あっはは!!やっと当たり引いた!!想像以上なんだけど~おもしれぇ~!!」
『こいつ……!ああむり水水…!』
匂いや見た目ではわからないよう肉だけに辛い味付けをし、上からかかっているソースは追加のカモフラージュのようだ。
瞬時に状況を理解したエディシアは慌てて水を飲むと、口元を抑えながらフロイドを睨みつける。
『……悪魔……』
「ウツボでぇす」
「…おや、僕も当たりましたよフロイド。たしかに辛いですねぇ。これはおもしろい」
「何無駄に手の込んだことをしているのやら……」
1つ1つが食べ盛りの高校生なら飛びつくような大きさのため、一口目でまだ3分の2ほど残っている。
エディシアがこの唐揚げを主犯である自称ウツボの口へ押し込めてしまおうかと考えていたことはお見通しだったのか、ここまで来て残すわけがないでしょとその犯人から煽りを受けてしまった。
『……絶対に今唇が2倍に腫れてる……』
「ちゃんと食べれたじゃーんご褒美にキャンディーあげる。さすがに弱すぎて笑ったわ。ジェイドの話聞いてよかった~」
「おや、僕はただ独り言を呟いただけなのですが……聞かれてましたか。ふふふ」
「……あぁ、なんとなくわかりました」
双子のやりとりから、アズールはフロイドの単独ではないのだと感づいた。
エディシアも目元をひくつかせながら改めて尋ねる。
『フロイド先輩、ジェイド先輩は何を呟いたんですか?』
「あのねぇ、厨房にウツボなんてオレとジェイドしかいないよぉって困ってたら、"そういえば彼、辛い物が大の苦手でしたねぇ"って。だから混ぜてみた。あはっ」
『……ジェイド先輩?どうして知ってるんです?』
「たまたま聞いた噂みたいなものですよ。それを思い出してたらつい口からこぼれてしまっていたようで」
『………へぇ?』
どうやらこの辛味唐揚げはジェイドがきっかけで、そこにフロイドの気分が乗って生まれてしまったらしい。
ジェイドは噂を聞いただけと言っていたが、さすがに味の好みまで噂になるのものかとエディシアは眉間にしわを寄せた。
「現状の弱点は尻尾と辛い物ですか。僕の方でも覚えておきますね」
『尻尾は獣人全員に言えるんですけど、前に提供したボランティア2名でそれぞれ聞いてない事にできませんかね。できますよね』
「でも記憶しちゃったらねぇ?」
「えぇ。ここまで限定的な記憶を改ざんする魔法や魔法薬は先生方でも難しいでしょうし」
よりにもよって弱みを握られたくない3人に知られてしまうのはエディシアに限らず誰でもいい気はしないだろう。
辛味の情報については予想外ではあったものの、まかないのリクエストでまともなことを言っていればこんなことになっていなかったと考えたエディシアは適当にフロイドへ謝り、一足先に寮部屋へと戻った。
部屋へ戻ったエディシアはフロイドの渡したキャンディーのパッケージをまじまじと確認した。苺がプリントされていたので開封し口に含んでみる。
『……甘い』
キャンディーは苺ミルクの味がして甘く、自然と頬が緩んだ。
フロイドから何かをあげるのはエディシア自身初めてだし見たことも無かったので、謝罪の意味もあるんだと思うことにする。
スマホを確認すると調査で行動していたメンバーたちから謝罪や安否確認のメッセージが来ていたので無事であることは伝えておいた。