2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「次はオクタヴィネル寮。エドちゃんのとこだね。けーくんチェック的には2年のジェイド&フロイド・リーチ兄弟に要注意」
中庭に移動し、ケイトが次の候補の情報を読み上げた。
彼らは井戸の前で立ち話をしている最中のようだ。
グリムはまるきり同じ顔が2人いると驚いている。
エディシアはそんな新鮮な反応を見て、初めてあの双子と会ったときの驚いた日を思い出した。
「じゃあ、あの2人をマークしますか?エドは後輩だろ。2人を知ってるか?」
「うーん……ボクが犯人なら、彼らを狙うのは最後にするよ。あの2人……特にフロイドの方はあまり近づきたくない」
『僕は、むしろ犯人にターゲットから外した方がいいって助言したいな』
「あ~~~~金魚ちゃんだ~~~~~!」
「うっ!見つかった!」
2人を知っているエディシアとリドルがそれぞれ告げる。リドルは心底フロイドが苦手らしい。
そんなことをエディシア以外の1年生が首を傾げながら聞いていると、フロイドの嬉しそうな声がリドルたちの元に飛んできた。
目の前に現れたことで、改めて身長の高さを目の当たりにしたユウは「ワァ…」と小さく息をもらす。
「ブルーテトラちゃんと金魚ちゃんて仲良かったんだぁ。こんなとこで何してんの?かくれんぼ?楽しそうだね」
『こんにちはフロイド先輩』
「フ、フロイド。ボクの事を変なあだ名で呼ぶのはやめろと何度言わせるんだい?」
リドルはずっと呼び方を反対しているようだがフロイドは何故?とでも言いたげな様子。
一方エディシアはデュースに「ブルーなんとかはお前の事か…?」と耳打ちされても真顔で頷くのみ。リドルのように抗議してもこんな調子のため諦めたのだ。
グリムがその光景を見て変なやつだとコメントすると、フロイドの興味がリドルからグリムに向いてしまった。
おもしろいから絞めていいかと聞かれたグリムは突然ピンチに陥る。
『グリムのサイズは事件になるのでやめましょう。代わりに明日お菓子あげます。クッキー、キャンディ、スナック菓子…何がいいですか?』
「え~、それなら今ほしいんだけど。持ってねぇの?」
『えー、と……はは……』
「それならそいつで遊ぶ~」
「ふな"ー!エド!なんとかしてくれぇー!」
『えぇ……先輩いったん待って下さいストップストップ』
「ハーツラビュル寮のみなさんお揃いで。もしや、マジカルシフト大会に向けての敵情視察ですか?エディシアさん…まさか情報の横流しなんてしていないですよね?」
『この僕に先輩たちを敵にまわすような自殺行為をする勇気があると思いますか?』
「えっとこれには色々とワケが……」
エディシアがグリムから手を離すようフロイドに交渉していると、横でジェイドがあらぬ事を言い出した。
たしかにスマホを片手に他寮の生徒を凝視していれば誰でも怪しむだろうし、この時期なら特に勘違いされてもおかしくないだろう。
「では、なぜ僕たちを監視していたのか理由を詳しくお聞かせ願えますか?」
「こいつ、物腰は穏やかだけど全然目が笑ってない……」
『やっぱ無理、グリム守れない』
「ええ!?じゃあ、おじゃましました~~!」
ジェイドが問い詰め、このままではグリムを助けられないとエディシアからNGも出たので、ケイトの声を合図に全員走り出した。
いきなり走り出したことで双子は一瞬あっけに取られるも、フロイドはニコニコと後を追い始めた。
「ねーねー、待って~」
「そう言われて誰が待つんだ!総員退却!」
「あ!そうだ、ブルーテトラちゃんはオレたちんとこ来てね」
『…!!い"っった!……あ』
「あいつ、ついさっき自分で自殺行為って言ってたくせにやり返すとか馬鹿じゃねぇの!?」
エディシアはいきなり尻尾を引っ張られ、反射的に後ろの犯人であろう人物に蹴りを飛ばしてしまった。獣人や動物の尻尾を踏む、引っ張るはご法度である。
しかしその蹴りは大きな手が掴んだことで防がれ、ハッとしたエディシアは恐る恐る視線をあげるとフロイドが嬉しそうに目を細めていた。
「……あはっ。なぁに?ブルーテトラちゃんが遊んでくれんの?」
『(終わった)』
「フロイドよくやりました。しかし遊ぶのはまた今度にしましょう。みなさん、彼はラウンジの欠員補充のために必要ですのでお借りしていきますね」
『……みんな、僕の事は気にしないで』
「…エドちゃん、君のことは忘れないよ……!」
フロイドによって防がれた足をそのまま掴み上げたことで、エディシアは宙づりにされ完全に身動きを封じられた。
ユウたちは憐れむような目でエディシアを見た後、振り切るように走っていった。