2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「たのもー!」
「あ、"なんでもない日"のパーティーにいたヤツらじゃん」
「おお、オレ様たちもすっかり有名人だな!」
「あ、あはは……」
『よかったねぇ』
保健室に階段から落ちた生徒がいると聞いたユウ、グリム、エディシアがさっそく向かうと、そこにいたのはハーツラビュル寮生たちだった。
グリムは有名人になるのが嬉しいようだが、ユウとエディシアの脳裏にはシャンデリアの件がよぎる。
「怪我をした時の話をきかせてもらいたいのですが」
「それが俺にもよくわかんねぇんだよ」
怪我をしたハーツラビュル寮生が言うには、勝手に体がふわっと前に出たような感覚で躓いたり滑ったわけではないらしく、気づいたら階段から落ちていたらしい。
話しながら歩いていたことでよそ見をしていたのだろうかとエディシアは考える。
「ふむふむ、なるほど」
「ご協力ありがとうございました」
『次の聞き込み行ってみよう』
次は教室に向かい、他に怪我をしたという生徒がいないか探した。
ある教室を覗くと、聞いていた被害者の特徴に合う生徒をグリムが見つけ声をかけた。
しかしそこである事態が起きてしまう。
「なぁなぁ。お前こないだ大怪我しかけたヤツだろ?ちょっと話聞かせてくれよ」
『げ、大丈夫かな』
「いきなりなんなんだい、君たち」
「あちゃー」
先ほどは知り合いだったから良かったものの、グリムは先ほどと同じ勢いで初対面のポムフィオーレ寮生に話しかけてしまった。
案の定不快に感じたポムフィオーレ寮生は、最高のコンディションで大会に出られないことに傷ついているのにとお怒りだ。
「なんて無神経なんだ。傷口に塩を塗り込むような真似を……決闘だ!手袋を拾いたまえ!」
「なんで手袋なんだゾ!?」
「グリム!あとで説明するから!ちょっとステイ!」
『話が聞けなくなる前に言う事聞いておこうか…』
グリムが正直な反応をしまた神経を逆なでしかねないのをユウが必死に止めた。
他のポムフィーレ寮生は何も言わないが、手袋を叩きつけるという時代劇のようなことをするのがポムフィーレ流なのだろう。
エディシアもユウに続きこれ以上相手を刺激しないよう促した。
「………ふんっ。やるじゃないか…仕方ない、あの日の事を教えてあげよう」
「あれは実験室でのことだ」
『(魔法での私闘は禁止。それはわかるんだけど……)』
「(だからってこれはちょっと……)」
「『(……恥ずかしい……)』」
「?オメーら、うつむいてどうしたんだゾ?」
「『グリムのその図太い神経が羨ましい』」
「……よくわからねーけど、今オレ様に失礼なこと言ってるってことだけはなんとなくわかった」
決闘だ!とポムフィオーレ寮生は言ったが、内容はいかに相手を魅了させるポージングができるか。というものだった。
いきなりの勝負だから仕方ないのはわかる。しかし腕相撲とか、色変え魔法の精度とかもっとそういうのがあったのではとユウとエディシアが考えていたが、グリムは全く気にしていないようだった。
ポムフィオーレらしいといえばそうだが、放課後でもまだ教室や廊下には生徒がいるため、そんな中でする慣れないポージングは年頃の未経験2人にはハードルが高い。
結局審判もおらず、基準がわからないまま2人と1匹で相手のポムフィーレ寮生2人と共に雑誌に載っていそうなポーズを作っているうちに微妙な空気のまま終わってしまったのだ。
「君たち、聞いているのかい」
「せっかく貴重な情報を伝えてあげようとしているのに、なんて失礼な生徒なのだ!」
「あっ、すみません!」
『ぜひ聞かせてください』
3人で会話を始めてしまったことに気分を害したポムフィオーレ寮生が再度手袋を構えた。
それに気づいたユウとエディシアはギョッとし慌てて傾聴に徹することにした。もうあんな思いはこりごりだ。
どうにか話は聞けたのでユウはグリムを抱え、エディシアはその後についていく形でそそくさとオンボロ寮に移動を始める。
教室内にいた他の生徒たちは変なものを見るような目を向けながらクスクスと笑っていた。