2章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「……実は最近、学園内で不審な事故による怪我人が続出していまして。それについての調査をお願いしたいのです」
「怪我人~?」
「昨日も階段からの転落事故があり、これで怪我人は10人目。誰も重症には至っていないのが救いなのですが…」
『まぁイベント近づいてるし多少は増えるんじゃないですか?』
オンボロ寮の談話室に集まると学園長が話し始めた。
エディシアはグリムを抱えそれを聞く。
学園長曰く、マジフト大会が近づくと学園全体が浮つくが例年以上に怪我人が多く、さらに怪我人は全て今年の選抜メンバー入りを注目される生徒なのだという。
ただの事故ではないが全て人の目のあるところで起きていて、目撃者は「本人の不注意にしか見えなかった」と口を揃えて言っているとのことだった。
「じゃあそいつらがドジってことなんだゾ。はい解決ぅ~」
「おやおやグリム君、投げやりですねぇ」
「だってオレ様には関係ねーんだゾ。どうせマジフト大会には出られねーし?」
わかりやすく不機嫌なグリムに学園長はマジフト大会の出場枠を報酬に提示してきた。
学園長の調子のいいトークにグリムはどんどん目をキラキラさせていき、それに比例して監督生であるユウの表情が曇ってゆく。
結局うまいこと乗せられたグリムは調査に賛成してしまった。
「あの…マジフトって選手が7人必要なのでは?」
「そこはホラ。私がマジカルなミラクルでなんとかあと5人の選手を補填してあげますよ」
『ずいぶんざっくりしてますが大丈夫なんですか?』
「そんな細かい事は後でいいからさっそく聞き込みに出かけるんだゾ!」
ユウは足りない選手をどうするのか尋ねたが、グリムはお構いなしといった様子でユウの話が流されてしまった。
話しぶりから学園長は考えがあるようだが、聞いていたエディシアは違和感を感じ首をかしげる。
「3人とも、頼みましたよ」
『……は?僕も?』
「だって一緒に聞いていたじゃないですか。2人より3人の方が解決も早いでしょうし。ね、これも縁だと思って!」
ユウはグリムとセットで1人の生徒として計算されるが、学園長はハッキリ"3人"と言った。
オンボロ寮の2人に持ち掛けられた取引を他人事として聞いていたエディシアは、自分までカウントされたことにハッとする。
学園長のへらへらとした態度に眉をひそめ、それならとグリムたちに出した条件が自身にはそぐわないのでスマホを取り出した。
『……それじゃあ僕には…………これをください』
「……?靴じゃねーか」
「素敵なデザインだね」
「どれどれ……って、8万マドル!?これを私に用意させろと!?」
エディシアが差し出したスマホの画面を3人がのぞく。そこにはスニーカーが表示されていた。
ショッピングサイトの欲しいものリストに入っているうちの1つで、金額を見た学園長は口をあんぐり開けた。
『だって僕は大会に出たいと思っていませんし。それに世界中が注目するほどの大きな大会が台無しになったら大変です。それをたったの8万マドルで損害を回避できると考えればむしろ安い方では?』
「ぐ………むむむ…………はぁ……わかりました。犯人が捕まり、無事大会を終えた暁には贈呈致しましょう。えーとたしかあなたは……」
『1年のエディシア・ファミーユです。お願いしますね』
学園のメンツを天秤にかけられたことで学園長は渋々了承したものの、「ああ……私のおこづかいが……」とブツブツ肩を落として呟いていた。