1章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「お話し中失礼します……あの…以前モストロ・ラウンジで迷惑行為を行った者です…その節はご迷惑をかけた上にお怪我まで負わせてしまいすみませんでした…!」
「よろしければお詫びにこちらを受け取ってください!もちろん何も入れていません!」
声をかけたのはエディシアが先日報復すると誓ったあの2人だった。
あの時とは別人のように腰が低く、売店の中でも特に競争率の高い数量限定のパンと、麓の町で人気すぎて即売り切れるという高級プリンをお詫びの品だと言って差し出した。
しかしエディシアは頭を下げている2人とスイーツをジッと見つめるだけで口を開いた。
『…食べ物でなかったことにさせるんですか。どこまでも舐めた真似してくれますね』
「ヒッ…ごめんなさい!ごめんなさい!」
「何でもするので許してください!」
「おやおや…エディシアさん、こちらの品はせっかくあなたのために必死に用意してくださったんですから頂いておきましょう」
『ジェイド先輩…』
見かねたジェイドが間に入る。
しかしエディシアにはそれよりも別のことに興味を引かれていた。
ジェイドも逃さなかったようで目配せをする。
「それに今、聞きましたか?」
『はい。"何でもする"って言いましたよね』
「…は…はい…」
「エディシアさんはどうしたいんです?食べ物は嫌なんですよね?」
ジェイドが嬉々として何を要求したいかエディシアに尋ねた。
猫には元々考えていたことがあるのでそれを提案することにする。
『…ラウンジにボランティアは募集してますか?』
「えぇ。いつでも歓迎ですよ」
『じゃあ…アズール先輩に今日から3か月間2人分の人件費が削減できると伝言お願いしたいです。やる気も元気もいっぱいなので3~4人分は節約できるかと』
事のきっかけのラウンジでボロ雑巾のようにこき使われてしまえばいいだろうと決めていた。
2人は顔面を真っ青にしながら「今日から…!?」と言うが、『何でもするんですよね』とエディシアが言うと勢いよく頷きその場を離れた。
「ラウンジでの件を謝罪しに来ていただけてよかったですね」
『そうですけど…先輩の事をフロイド先輩だと思ってたんですかね、どっちかというと僕よりジェイド先輩に対して必死だったような』
「ふふ、たまに間違えられるんです」
ジェイドが代わりに食べ物を受け取っている時の2人の怯えようは異常だった。
服装だけでもわかりやすいと思うが、関わりが少ないとどっちがどっちかわからなくなるのだろうか。
「今日のお昼は新鮮でいつもより美味しくいただけました。僕のお願いを聞いてくれてありがとうございます。先ほどの件はアズールに伝えておきますね」
『いえ、食事を中断させてしまってすみませんでした。お願いします。あとこれ…先輩にあげます』
「よろしいんですか?」
『魅力的ですけどね』
受け取った詫びの品物がジェイドに手渡される。彼は目をぱちくりさせた。
エディシアにとってはどれも食べたことがないので気にはなる。
しかしあの2人からもらうなら食べる気にならなかったのだ。