1章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『……ありがとう、ございます…』
「あいつらにはバレたのか……って……」
治癒魔法による暖かい光がきっかけになったのか、緊張の糸が切れエディシアから涙が一気にボロボロと溢れてきた。
大量の涙が出ていてもレオナの質問は聞こえていたようで、話せない代わりに顔を横に振って伝える。
「レオナさーん買ってきましたよ。全く急にメッセージ送ってきてほんと人使いが……は?何これ?たしかこの子スマホ忘れたオクタヴィネルの1年っスよね?」
「ラギーそれよこせ」
「え?は、はぁ…」
『………』
なかなか涙が止まらない中、以前レオナといた生徒がやって来た。突然の参入にエディシアは固まり、ラギーと呼ばれたその生徒はレオナとエディシアを交互に見て立ち尽くしている。
ラギーはレオナに買い物袋を渡し、袋から出たティッシュをエディシアに渡した。
受け取ったエディシアはそのティッシュで鼻をかみ、涙を拭く。
「レオナさん、そろそろ状況説明してもらっても?あとお釣りはもらっていいんスよね?」
「釣りはやる。…ついさっきうちの寮のやつらと喧嘩して負けたんだとよ。俺が昼寝してる最中でうるさかったから全員黙らせた」
「あららーそれはどんまいっスね…あ、それでこれも買ってこいって事だったんスか。ほい家猫くん、ホットココアですよー」
エディシアの目の前でしゃがんだラギーは、もう1つ頼まれていたらしいホットココアを渡した。ココアの甘さと温かさが身に染みる。
時間も経ち、ココアと鼻がすっきりしたことでいくらか気持ちが落ち着いてきた。
「でもレオナさんがここまで慰めてやるなんてやっさしー。普段なら喧嘩に出くわしても無視してるのに」
「いつまでもニャーニャー泣かれてうんざりしてたんでな。どうせ初めての喧嘩でビビり倒したんだろ」
『………すみませんね』
レオナの説明を聞いていたエディシアは明らかに不機嫌になった。
しかしラギーはお構いなしに追い打ちをかける。
「経緯は知らないけど、家猫くんみたいな温室育ちがうちの寮のヤツと喧嘩なんてそりゃ泣きたくもなるか」
『…でもいい経験になりました。今度本人たちにお返しするので先ほどの寮生お借りしますね』
「調子戻って来たじゃねぇか。俺の邪魔さえしないなら好きにしろ」
「絶対報復してやるって感じがさすがオクタヴィネルっつーかアズール君の躾が行き届いてるっつーか…」
時間も経ったことで互いの寮へ戻ることになり3人で鏡舎へ向かった。
エディシアが今回の借りについて問いかけると返してもらうタイミングはこっちが決めると言われ保留ということになった。
考える気がなさそうな様子だったがいつ持ち出されるのだろうか。
「ったく、元気になった途端タコ野郎みたいに借りだなんだ言いやがって可愛げねぇな」
『………あ』
「どうしたんスか?」
『あ、いえ……でもあの物騒な人たちに比べたらずっとましだと思うんですけど』
「…まぁせいぜい上手くやることだな」
アズールがタコの人魚と知ってどこかでタコというワードを聞いた気がしたとモヤモヤしていたが、以前にレオナがタコ野郎と言っていたことを思い出した。
あのときはアズールの事を指していたようだ。