1章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「……他に人はいないな?あのチビ猫には厳しい躾が必要だな…骨格変わるまであの小綺麗な顔を殴って後悔させてやる」
「手癖も足癖も悪いっすからね。あーいってぇ…」
[#da=1#]は植物園に駆け込み咄嗟に飛び込んだ茂みの中で息を潜める。
見つからないよう少しでも気配を消すために必死で息を潜めた。
声が所々に移動し探しているのがわかる。徐々に[#da=1#]の方へと近づいてきた。
「ほら早く出てきてくれよ猫ちゃーん」
「かくれんぼより楽しい遊び思いついたんだぜ」
「ほぉ?それはどんな遊びだ?」
不意に別の声が飛んできた。
聞き覚えのある低い声にピク、と耳を動かした。
「げっ…レオナ寮長…!?」
「俺の昼寝を邪魔する価値があるほどの楽しい遊びなんだろ?」
「邪魔してすみません寮長!えっと…実は野生の猫がいたんですけど植物園の方に入ってくのが見えたんで…」
「てめぇらが入ってくるまで余計な匂いも音もしなかったな。猫くらいでキャンキャン騒ぐなよ」
「そ、そうっすか…なら気のせいだったみたいです、失礼しました!」
「失礼しましたー!」
『………』
あのレオナは本当に寮長だったようだ。バタバタと走り扉が閉まる音が聞こえた。
「……もういいぞ」
『………』
「………ハァ」
レオナが[#da=1#]に向けて声をかけるも反応が無い。
耐え兼ねたのかレオナは隠れた場所を知らないはずなのにまっすぐ[#da=1#]のいる箇所まで歩き出す。
音などから把握しているのだろう。さっきの生徒たちとは違いあっさりと茂みをかき分け見つけてしまった。
「立てるか」
『………』
レオナが膝をつき手を差し伸べる。
さっきの生徒たちのようにいきなり力任せに引っ張ったり急かす事も無く待っている。
[#da=1#]は躊躇しつつも震えながらその手を取ってみると、立ち上がった事で乱されたネクタイや服がレオナの目に入り、レオナが「お前…」と眉間に皺を寄せた。
パッと顔を上げた[#da=1#]はいつもの穏やかな笑顔を作り言葉を連ねはじめた。
『どうけしかけようか考えてる間に助けられちゃいましたね』
「…他に追い回してたのはいねぇか」
『はい、あの2人だけです。なんか怒らせちゃったらしくて気づいたら大喧嘩ですよ』
「おい」
『また昼寝してたとは思わなくて…巻き込んじゃってすみません』
「おい、今は笑わなくていい」
『何、言ってるんですか…すぐ出ていくんで昼寝なり寮なりへ戻ってくださいよ』
「……お前が落ち着いてからそうする。とりあえずこっち来て座ってろ」
腕を引かれ腰を落とすよう誘導され、ライオンは横にドカッと座った。
少しスマホを触ってから[#da=1#]の方へ顔を向ける。
「…他に怪我はしてないか」
『…大丈夫です』
「じゃあ治癒魔法で血止めるから少しツラ貸せ。その間服整えてろ」
『…手元見ないとわかりづらいんですけど』
「知るか。違ってればあとで直せばいい」
レオナに顔の傷の状態を確認されている間に言われた通り服を直していく。
後でもいいのではと思うくらいに鏡もなく手元も見れない状態でのボタンのかけ直しは位置が掴みづらい。
『…治療なんてあの時の話には上がっていなかったです。何を要求するつもりですか』
「その減らず口は一生治らねぇのか?いいから黙ってろ…少し眩しくなるぞ」
暖かい光が傷を包み、やがて頬や口元の痛みがなくなった。
光がおさまり目を開けるとレオナの顔がすぐ近くで目が合う。
ずいぶんとムカつくほどに顔が良いんだと[#da=1#]は思った。