6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「あぁっ!?負けてしまったじゃないか!」
『さっきと同じゲームだとは思えない……』
「とっ……突然難易度が上がりずぎだ!こんなのクリアできるわけないですよ!」
ゲームが始まるも、アズールの操作する船頭は次々とせまりくる岩にぶつかり、あっという間にゲームオーバーとなってしまった。
画面の流れの早さ、岩の量が会議室でプレイしたときとあまりにも違いすぎる。
これにはプレイヤー本人だけでなく他の2人からも抗議の声が上がったが、その様子にオルトはキャッキャとこの場に似つかわしくない笑い声を響かせた。
「アハハハハ!その慌てた顔、最高!イキッて「僕がゲームをクリアします」って言ったくせにねぇ?」
「はじめから勝たせるつもりがなかったんだろう。とんだ茶番だ!」
『最初の試練にしては随分と潰すのに必死だね。そんなに馬鹿にしたい?』
「そんなにカッカしないで。ゲームはみんなで楽しくやるものだよ?」
「なら、楽しくプレイできるよう配慮してほしいものですね」
「しょうがないなあ。そんなに言うなら、難易度を下げてもう1度やらせてあげる。ほら、コントローラーを握って。楽しい時間の始まりだよ!」
オルトの態度に3人はヒートアップしてしまった。
初心者相手にプロゲーマーもびっくりの難易度で突きつけ、馬鹿にされるのだから無理もない。
なんだかんだ序盤でゲームオーバーというのもつまらないと感じたのか、オルトは難易度を下げて再挑戦の許可を与えた。
「……やった!どうです、クリアできましたよ!」
「難易度下げた後にドヤられてもなあ~。とはいえ、まあまあのスコアだね。いいよ。ここは通してあげる」
「……オルトの腹立たしい喋り方に、非常に覚えがあるのだけれど」
「ええ、さすがは兄弟ですね。彼がこれほど人の神経を逆撫でする語り口をするとは」
『相手を煽らないといけない宿命にでもあるんでしょうか』
オルトの宣言通り難易度を下げた状態で始まり、かなりやりやすくなったおかげでアズールはクリアすることができた。
顔を上げたプレイヤーのアズールの表情には、達成感と喜びに満ちているのを感じさせる。
それを見ていたオルトは退屈そうに、そしてケロッと切り替えると次はプレイヤー陣営が不服そうにする。互いの機嫌はいつまでも真逆になるようだ。
「ここから先はお遊びじゃない。本物のファントムと戦うダンジョンだ。君たちがどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみにしてるよ」
『モンスターなんてこっちが食い物にしてやる。ちょうどお腹が空いてるんだよ』
「冗談でもあんなゲテモノを食べるなんて言わないでください」
「すぐに最下層に辿り着き、その首をはねてあげるから待っておいで」
「ふふふっ!そう簡単に辿り着けるかなぁ?——兄さんと一緒に、下で待ってるね」
オルトの挑発めいた言動に嬉々として乗っかる[#da=1#]に、アズールは眼鏡をクイと上げながら眉をひそめた。
リドルと[#da=1#]の好戦的な様子を見たオルトは、またしても挑発的なことを言うとフッと消えてしまった。
オルトが消えると次の階に到達したようで、扉が開く。そこには先ほどとあまり変わり映えのしない非常階段が続いていた。
「あんなふざけた態度を取っていられるのも今のうちだ。先を急ぐよ!」
「ここからはどこから敵が飛び出してくるかもわかりません。慎重に……って、リドルさん!また1人で勝手に行かないでください!行きますよ[#da=1#]さん!」
『……本当に大丈夫かな、このチームで……』
リドルはさっそくカツカツとヒールを鳴らしながら非常階段を降りて行き、打ち合わせをしようとしていたアズールは慌てて追いかける。
相変わらず水と油な上級生2人に[#da=1#]は、先ほどまで煽りに煽られ悪い意味で高ぶっていた士気が鎮火し、冷静になれるくらいには落ち付いてしまった。