6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「ふぅ……なんとか倒せましたね」
「見ろ。このカローンの鎧、中に人間が入っていないぞ」
『……本当ですね』
魔法が効きにくいのは変わらなかったが、学園襲撃のときよりも動きが単調だったおかげで打ち勝つことに成功した。
アズールが溜め息をついていると、ジャミルがカローンの状態を確認して無人だったことが判明した。
相手が人間だったわけではないことで、動きが単調だったことにも納得できる。
「コイツら、学園で俺たちを襲ったときと違って、明確に”ただ傷つけるため”に攻撃をしてきた。……どうも嫌な予感がしやがるな」
「悠長に立ち話をしている場合じゃなさそうね。これ以上事態が悪化する前に、イデアがいるであろう管制室を目指しましょう」
単調な動きであることから、遠隔で操作しているわけでもないらしい。
ということはシステムで操作されていたということが考えられる。
攻撃するだけの純粋な戦闘兵器と化したカローンが他にもその辺をうろついている可能性から、まずは所長代理に話を聞きに行こうということになった。
しかし歩き出してすぐ、ヴィルは忘れ物をしたと言って床に置かれたボトルを取りに戻った。
中身はスペシャル美容液らしい。
「この状況でも肌荒れの心配か?スーパーモデル様は大変だなァ」
「フッ。なんとでも言いなさい。これはアタシの”お守りコスメ”なの」
『もしかして、さっき脱出に使ってくれたあれですか?』
「そんなところ。さすが、この顔だけの男なんかよりもよく分かってるじゃない」
「生憎、コイツみたいにお前の熱狂的なファンではないんでね」
美容液と聞いてレオナが茶々を入れる。
そのボトルを見た[#da=1#]は先ほどのことを思い出し尋ねると、ヴィルは得意げな顔をしてボトルを軽く揺らした。
「似たような廊下ばっかりで、本当に管制室に近付いてるのかわからないわね」
「曲がり角ごとに印はつけていますし、同じ場所には戻ってきていないので、進んでいる……とは、思います」
「というより、IDカードがないと通れない道が多すぎる。壁が防魔素材でなければ、ドアを全部砂にしちまうところだが……」
「ボクもそれを考えていました。しかしイデア先輩が「緊急時には各部屋がシェルターの役割を果たす」とも言っていましたし、簡単には壊せないでしょうね」
『さすがブロットを研究するだけあって徹底してますね』
「部屋を脱出した時みたいにアタシがユニーク魔法を使ってもいいけど、時間がかかるし、魔力にも限度があるわよ」
「せめて1人でもスタッフが姿を見せてくれれば、締め上げ……いえ、事情を説明し道案内をしてもらうのですが」
『(普通に聞けばいいじゃん)』
地図が無いのでひたすら歩き回る。しかし管制室どころか、現状と違う景色すら目にすることができずにいた。
通れない場所が多いため、管制室より先にIDカードを所持したスタッフに出会うことが目的となるのは自然な流れだった。
その直後大きな衝撃音がすぐそばで鳴り響き、全員が身構える。
「ひ、ヒィ!!助けてくれェ!」
「魔導ビーム再装填完了。ターゲット・ロックオン」
「見てください、スタッフがカローンに襲われています!」
「ちょうどいい。アイツに恩を売って道案内させようぜ」
『ここだけ切り取って見ると悪者ですよ。道案内には賛成ですが』
「本当にひねくれているな君たち。賛成だけれど」
「全くだ。賛成だけど」
衝撃音の方からは、直前まで話題にしていたスタッフが1人でカローンから逃げ回っていた。
それを見たアズールは嬉しそうに指を差し、レオナがニヤリと笑いながら提案した。
[#da=1#]やリドル、ジャミルはそんな2人に呆れながらも同意する。
「まったく……”王子様”らしくない発言は慎みなさいよ。でも、賛成。いきましょう!」
「[#da=1#]さんはまた下がっていてください」
『はい。みなさんよろしくお願いします』
あのスタッフを助けることで今より事態が良くなるというのは全員同じ考えで、ヴィルの掛け声を合図にそれぞれがマジカルペンを構えた。
再び1年生である[#da=1#]は、いつでもサポートすることになってもいいよう離れすぎない程度に後ろに控える。