1章
お名前編集はこちら
この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!」
「「リドル寮長、バンザーイ!」」
ついに設営が完了しパーティーが始まる。
寮生の声掛けによりハーツラビュルの寮長が入場し、初めてまともに寮長を目にしたエディシアは目を見開いた。
「うん、庭の薔薇は赤く、テーブルクロスは白。完璧な‘‘なんでもない日‘‘だね。ティーポットの中に眠りネズミは……って。いや、いなくてもいいか」
『(……なんというか、想像よりだいぶ……コンパクトだ)』
一瞬女性と見間違えてしまうほどに小柄で愛らしいリドルの姿にエディシアは呆気にとられた。
引きずるほどに長いマントは自身に合わせるのではなく、基準とされる長さを守った結果なのだろうかと思えば微笑ましくも見える。
しかし彼の凛とした眼差しや真っすぐ伸びた背筋からは寮長としての威厳を感じさせるものがあり、ただ愛らしいだけでは留まらない魅力が彼にはあった。
エディシアはとても聞いていた暴君とは思えなかったので寮生2人にこっそり尋ねる。
『……エース、デュース。あれが君たちの寮長?本当に?』
「そ。あのマント引きずるほどちっこいの。リドル・ローズハート」
「見かけに騙されるなよ、怒らせたら大変だからな」
「前だったら眠りネズミがいなくても首を刎ねてたゾ…」
「そうだね、前より丸くなったかも」
『そうなんだ……?』
エースはオーバーブロットで荒れた場所の片付けも今回の準備も、全部俺らがやらされたと愚痴をこぼしている。
体調の回復が優先だから仕方ないと言うデュースに、ユウもエディシアもそれに同意した。
詫びなら別の機会に別の形で提示してもいいのだから。
「その白い薔薇…」
「げっ!塗り残し!?」
「エースちゃん、デュースちゃん、ちゃんと塗ってって言ったじゃん~!」
「僕たちのせいですか!?」
『僕はその辺手つけてないから知らないよ』
「裏切るなよ!」
リドルがストップをかけたことで会場一帯の空気が凍り付く。
トレイの目は泳ぎ、ユウは「どうかお目こぼしを!」と全力で手を合わせている。
ただならぬ様子にエディシアは不思議に思いながら見渡した。
「……なんてね。もう薔薇の木の1本や2本で罰したりしないさ」
「ほ、ほんとー!?リドル君寛大!」
「みんなで塗れば早いだろうしね」
生徒たちの命拾いしたかのような表情が今までの厳しさを物語っている。
今までならこの時点で何名かが首を撥ねられていたのだろう。
許されたことでエースは「塗るのは変わんねーのかよ!」と突っ込みを入れた。
リドルはかなり久々に薔薇を塗ると言っていたが腕前は流石だ。
一瞬で濃く均一に染め上げ、1年生たちへの塗りもしっかり指摘をしていく。
リドルが完璧な塗りをしたことでそう時間かからずに次こそパーティーが始まった。