6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「おや、[#da=1#]も終わったのだね」
『はい。たった今』
[#da=1#]はスタッフの誘導で会議室に通されると、気付いたリドルが声をかけた。
他の被験者たちも会議室に集まっている。
[#da=1#]を案内したスタッフは、全員が揃ったのを確認すると全検査行程が終了したことを伝えた。
「最後にこちらで準備があるので、それまではみなさん各個室で待機をしていてください」
「では、少しは僕らに自由を与えてくれてもいいのでは?経済の流れは変化が激しいんですよ」
「はい?」
「ああ。やるべきことが終わったならある程度好きにしてくれてもいいはずです」
「僕は紅茶を所望します。このままではハートの女王の法律を破ってしまう」
「あなたの一存で決められないなら、上の人間に話を繋いでくれないかしら?」
「……少々お待ちください」
『(みんな終わった途端に不満が爆発してるな……)』
本来であればこのまま全員が個室に移動し、時間になるまで大人しくしていればいいだけだった。
しかし全検査行程が終わったと聞き、待つだけなら制限を緩めろと各被検体たちから抗議の声が上がったのだ。
ここまで集中砲火を受けるとは思っていなかったスタッフは、通信をはじめるために部屋を後にした。
『(……もう勝手に個室へ移動したいけど……)』
「……自由に別室へ移動できれば楽なんだがな」
『そうなんですよね……』
[#da=1#]が個室へと続いているであろう別の扉をチラチラ見ていることに気付いたレオナは横でボソッと話した。
ここは研究所。それも地図に載っていない、秘匿された組織で研究対象もブロットとなると、各部屋の入退室でロックや解除が必須なのは当たり前だろう。
彼らは何度か移動で案内されていた際、実際に入退室でキーが使用されているのを見ていたため想像するまでもなかった。
「………?[#da=1#]さん、あなたなんだか…雰囲気変わりました?」
『…そうですか?まぁ輸送機の段階でグロッキーになって、さらに慣れない環境でみんなより多くテストに参加してますからね。そりゃ雰囲気も変わるんじゃないですか?』
アズールがついに[#da=1#]の違和感について察し、顎に手を当てながら近づいた。
[#da=1#]は少し引きつりながらも、いつもの笑顔を作りごまかした。
アズールは[#da=1#]の寮長だ。そのためここのメンバーの中で一番接する機会が多く、違和感を感じやすいであろうことは読んでいたが、いざその時がくると[#da=1#]に冷や汗が伝いそうになる。
「ううん……疲労だけで変わるものとは違うような……声もなんだか妙ですね……」
「オイオイ、タコ野郎。変なのはお前自身じゃねぇか?自分の寮生のことも忘れちまうなんて働きすぎだろ」
『VDCでの宣伝も、普段の仕事の手伝いでも頑張ってるのに……ショックです……』
「………長時間自由のない状態で気を張ってますから、自分が想像以上に疲れているというのはありえるかもしれないですね。[#da=1#]さん、突然失礼しました」
レオナの助け舟も入ったことで2対1となり、アズールは違和感を感じているのが自分だけなら自分の感覚がおかしいのか……?と感じたようでその場を離れた。
アズールがヴィルたちとの会話に戻ったのを確認した[#da=1#]とレオナは溜め息をついた。
『あぶなかった……』
「次は最近まで長期合宿してたヴィルかジャミルが気付くかもしれねぇ」
『人数が増えればさっきのごまかしも効かなくなりますね……早く帰りたい……』
壁際のソファから、アズールたちの様子を見ながら2人は会話を再開した。
2人との距離は1~2人ほど間隔が空いている。フォローに入れるようにといっても、いつでもぴったり張り付いているのも逆に違和感を持たれる恐れがあるからだ。
「……これを機に、終わったら実家に戻れ。それならこんな面倒なことにならずに済むだろ」
『それは嫌です。祖母公認となった以上、尚更引く気はありません』
「ハァ……強情だな……」
試しに学園を出るようレオナが促してみるも、[#da=1#]の意思は相変わらずだった。むしろ懸念だった祖母がOKしたことでさらに言う事を聞かない様子だ。