6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「バーチャルエネミーモード・スタンバイ。ダイブ・スタート!」
『………ここは……』
次は無機質な部屋から見慣れた景色に変わった。地元でよく通っていた道だ。
寮生活になってからは来ていないので、[#da=1#]は懐かしさから周囲を見渡した。
「[#da=4#]」
『っ………ぇ……』
「?どうした?幽霊でも見たような顔して」
白猫は背後から名前を呼ばれた。
振り返るとそこには一瞬鏡に自分が写ったように見えるほどそっくりな人物。
しかし白猫より背丈があり癖毛が強く、声も低い。
顔つきもどことなく少年らしさを感じる彼は、ゆったりと白猫の元まで歩いてきた。
「…本当に大丈夫?体調でも悪いんじゃない?」
『……別に』
「そう?じゃあ早く行こう。君も制作進めるんでしょ」
違う。これは夢じゃない。
それなら今目の前に広がっている光景は……。
そう考えてから体が動くまではほんの一瞬だった。
気づいた頃には相手に掴みかかっていた。
「うわ!?なんだよ急に!」
『お前は誰だ』
「はぁ?やっぱり変だよ、[#da=4#]」
『その名前を呼ぶな。夢なら散々見てるからこれが違うってことはわかるよ…なるほどこれが第2テスト……』
「何言ってるかわからないけど……そっちが喧嘩売るなら買ってやるよ、おてんば」
相手はとぼけた表情をしていたが、目つきが変わったのを感じた白猫は咄嗟に間合いをとる。
その直後に相手の周囲が炎に包まれた。
『魔法まで……!?』
「僕を犠牲に手に入れたユニーク魔法と名門の学園生活は楽しい?」
『…………は?』
「僕より体力無いし、魔力も少ないくせに。本当は僕が羨ましくて、兄貴の優しさを利用したんじゃないの?」
『何……言って……』
「正体晒して同情誘えばチヤホヤされるだろうしね」
『やめて……』
「頭は良いからその辺企んでてもおかしくないでしょ」
『その姿で何も喋るな……!』
相手の言葉に耐えきれず、白猫は水の障壁を作り火の中へと突っ込んだ。
相手はこちらに襲い来るものだから当然応戦する。
白猫とは違って豊富な魔力から繰り出される強力な範囲魔法。その質は彼の年齢から考えれば十分すぎるものだった。
「ぐあっ!」
『捕まえた……!』
その後も範囲攻撃と近接攻撃の攻防が続いたが、ジワジワと白猫が距離をつめていき、やがて相手を押し倒し喉元にマジカルペンを当てた。
以前は相手の方が優勢になることが多かったが、魔法士養成学校でより本格的に経験を積んでいる差がここで現れたようだ。
『……………』
「ほらどうした?やりなよ」
『………クソ………』
「第2テスト完了。シミュレーター内で被検体のクールダウンを開始します」
こんな偽物、トドメを刺してやりたい…そう思っていたがどうしても動けなかった。
すると終了のアナウンスが流れ、[#da=1#]の目の前に広がっていた風景は消えた。
最後までニヤニヤ笑っていた相手の笑顔が目に焼き付く。