6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「はぁ……じゃ、全員からサインももらえたところでさっさと検査を始めよう」
「バトルシュミレーター、観測用制御卓の準備はすでに完了しているよ」
「k。まずは被検体のみんなには3チームに分かれてもらう」
まさかサインまでに1時間以上も手間取るとは思わなかったイデアは大きく溜め息を吐いた。
最初はリドルたちと同じ内容のテストを[#da=1#]のみで行う。
次にリドル、アズール、ヴィルのチーム。
続いてレオナ、ジャミルのチーム順でテストをすることが発表された。
最後に[#da=1#]のユニーク魔法”眠りの国”の検査のため、テストの過程で溜まった被検体A~Eのうち1人のブロットを抜き取るといった工程だ。
「オルト、バトルシミュレーターにGを案内して」
「了解。[#da=1#]・ファミーユさん、僕のあとについてきて」
『はい』
「君たち。そうかからずまた呼びに戻るけど、絶ッッッ対に喧嘩なんてしないでよ。手間が増えれば学園に帰るのがその分遅くなるんだからね」
「僕たちはその辺の園児ですか。失礼ですね」
「少し目を離した隙に問題が起きるなんて、グリムやカリムでもあるまいし」
オルトが[#da=1#]を誘導し部屋を出る際、イデアは待機する被検体たちに釘を刺した。
我の強い生徒が多いNRC、それをまとめるさらに癖の強い寮長・副寮長がほぼ集まっているので、イデアは気が気で無いのだった。
「あー、テス、テス。こちらオペレーティングルーム。こちらの声聞こえてます?」
「こちらシミュレーションルーム。音声良好。テスト用魔力測定ギア、被検体に装着完了」
『仮想空間でバトルシュミレーションをするんでしたよね。これ、本当に僕も必要なんですか?』
「後から調べるユニーク魔法のためにも、基本的な情報は抑えておきたいんで。ついでに自分の魔法を数値として分析できるんだから損はないでしょ」
[#da=1#]は事前にイデアから大まかに聞いていたこれから行うテストについて訊ねた。
通常の魔力を使う際の消費量やブロット蓄積量のデータを取っておき、ユニーク魔法を使った際との比較に使いたいのだそうだ。
「改めて説明するね。今装着してもらったのは魔導VR用のヘッドセットだよ。これから君には、仮想空間で敵とバトルシミュレーションをしてもらう」
『うん…やっぱり聞いてもいまいち想像できないな。仮想空間って映像だけ?精神がどこかに繋がれるってこと?』
「実際に体験してもらったほうが早いから、さっそく始めるよ」
『えっ』
「了解。バーチャルエネミーモード・スタンバイ。ダイブ・スタート!」
[#da=1#]の質問に、イデアは説明するより早いということで答えることもなくテストを開始させた。
オルトのアナウンスが流れると、ヘッドセットで真っ暗な視界に突如強い光が覆い[#da=1#]は目を瞑る。
『…………あれ?』
「魔導VRで作り出したバーチャル空間だよ。施設内では魔法を制限させてもらってるけど、ここでなら撃ち放題!どれだけ暴れても現実世界のボディにダメージが反映されることはない。だから安心して全力を出してね」
『……本当だ。そしてそれが仮想空間の中での相手ってことね』
「そう。もちろん相手のエネミーも攻撃してくるからね。それじゃあいくよ!」
強い光がおさまり恐る恐る目を開けると、先ほどまでとは違う空間が広がっていた。
どうやら自身の精神が反映される、文字通りの仮想空間ということのようだ。
施設の服を身に着けている間、首のチョーカーがリドルの”首をはねろ”と同じ効果を発揮し制限されていたが、[#da=1#]はそれをつけたままでも魔法が使えるのを確認すると相手エネミーを捉えた。
『さっきは手も足も出なかったけど、今度はそうはいかない』
相手エネミーは学園を襲ってきた戦闘員のカローンと同じ姿をしている。
オルトの合図と共に相手エネミーは攻撃体勢に入ったため、[#da=1#]も構えた。
[#da=1#]の攻撃スタイルは少ない魔力量で的確に攻めるというもの。
魔力量が豊富というほどでもないため、小さな弾に魔力を込めるイメージで密度を上げ、相手の武器を落とさせたり転ばせたりと不意をつかせたところで一気に叩くといった具合だ。
相手は2体。数は[#da=1#]が不利だが小回りの良さで相手の攻撃を流すようにかわしつつ反撃する。
『………よし!』
「第1テスト完了。シミュレーター内で被検体のクールダウンを開始します」
やがて2体のうち1体が[#da=1#]の精製した氷がみぞおちに当たり膝をついた。
構わず突っ込んできたもう1体には、風魔法で自身の速度を上げたことで瞬間的に回り込み、木の魔法で拳を硬化させ人間の急所の1つである顎にぶつける。
仮想空間でも魔法耐性の高さは健在のようで、間もなく2体とも立ち上がったが終了のアナウンスがオルトの声で流れた。
「君ほんとに1年生?やみくもに撃つんじゃなく的確に急所ばかり狙って精度と殺意が高いな……」
『本当は一発じゃ足りないですよ。あのヴィルさんに攻撃して、さらにあんな粗雑なフルオート洗浄でアフターケアもさせないなんて。怪我や肌荒れ、枝毛なんて発生させたらどうするんですか?』
「思い出した……ヴィル氏の過激派ファンでしたな……初めて話したときもヴィル氏のために僕を埋めるとか宣言してさ……」
『語弊がありますよ』
「好きなものに一生懸命になる気持ちはわからなくもないけど……まぁいいや。さっさと次いくよ。オルト、お願い」
「了解。バーチャルエネミーモード・スタンバイ。ダイブ・スタート!」
第1テストを見たイデアはうわぁ……と引きながら[#da=1#]に話しかけた。
自身にも思い当たる節があるのか、検査を早く終わらせたいのか、それ以上言うことはなく第2テストが始まった。
再び[#da=1#]に強い光が襲う。