6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『(………どうにかなったけど………)』
「……先に移動した被検体たちは全員洗浄が終わりました。あとどのくらいで出られますか」
『……………はい……落ち着いてきました。僕も向かいます』
[#da=1#]がトイレに籠りしばらくすると、リドルたちの状況を確認したスタッフが連絡に来た。
もう誰もいないということがわかり、[#da=1#]はトイレから出てきて合流することにした。
しかし脱衣所でまた問題が発覚する。
『……え……?』
「魔力の発するものを身に着けていますね。そちらもお預かりします」
『…………。小さい頃からのお守りなので、これまで渡すのは…』
「規則なので」
『…………ハァ…………』
衣服を脱ぎ洗浄室に入ろうとするとピーピーピーと機械音が鳴った。
脱衣所内のスピーカーからの指示で、[#da=1#]は首から下げている魔法道具のことだと察する。
しかしこれは認識阻害の効果がある重要な道具。それを手放した状態で合流するのは避けたい。
粘ってはみたものの、スピーカーからの返事が変わることはなかった。
『………すみません。所長代理をここに呼んでもらえませんか』
「所長代理は忙しいお方です。用件は我々が伺います」
『あの人がここに来るまでここから動きませんし話しません』
「………少々お待ちを」
洗浄室はフルオートだった。食洗器や洗濯機の中身のように全身をもみくちゃにされ、どうにか終わり用意された着替えに手を伸ばす。
そこであることが発覚し、とりあえず着るものを着て再度スピーカー越しのスタッフとやり取りをした。
先程は脱いだ衣服を専用のBOXに入れてしまったため後に引けなかったが、文明人とはすごい。服を着ているか着ていないかだけでこうも初対面とのやり取りに差が生まれるとは。今回は絶対に希望を通してもらうという[#da=1#]の意思が伝わったようで、スタッフは確認に向かった。
「あー……僕だけど。入るよ」
『僕だけじゃわからないですね。名乗ってもらわないと』
「イデア!イデア・シュラウド!」
数分経過するとイデアが脱衣所にノックした。[#da=1#]の希望が通ったらしい。
イデアは[#da=1#]の態度にやけくそのような返事をして中へと入って来た。
表情にも面倒くさいという感情が思い切り表れている。
「…で、わざわざ僕を呼ぶなんて何事?被検体もスタッフもみんな待ってるから、早くして」
『……し…きて…』
「なに?」
『…らし……持ってきて…』
「……拙者が言うのもなんだけど、もっとはっきり喋ってくんない?」
[#da=1#]が用件を伝えるもボソボソとしていて聞き取れない。
イデアは何度か聞き返すも理解できないため、声量を上げるよう要求すると胸ぐらを掴まれてしまった。
胸ぐらを掴んでいる[#da=1#]はグイッと引き寄せ、イデアの耳元で声を潜めて伝えた。
『大きな声で言えないんですよ!さらしを持ってきてください今すぐ!』
「……………は?」
『だから、さらし!代用品でもいいので!』
「は?なんでそんなの必要なの?男装でもして男子校に入ったなんて二次元みたいな話でもないし」
『その二次元みたいな話なんですよ……!』
「…………はひ?」
対面でコミュニケーションをとることすら少ないイデアにとって、胸ぐらを掴まれただけでもちょっとしたパニックとなっていた。
そこにさらにとんでもない要求と情報で、パニックだった頭はついに処理できず思考停止する。
結果[#da=1#]に返って来た反応は間の抜けた返事だけだった。
『さすがにこのまま合流はできないでも向かわないといけない。かといって体調不良のフリはもう使ってしまったし、頼みの認識阻害の魔法道具も持ち込めず八方塞がりなんです』
「…………ええええぇぇ………さすがに無理ありすぎでしょ……確かに[#da=1#]氏は女装しても違和感少なそうだけど……」
『………ジロジロ見てんじゃないですよ。ぶっ飛ばしますよ』
「………はぁーーー…ちょっと無理オルト呼んでくる」
『待ってください』
「ぐえっ」
ずっと胸元を抑えている[#da=1#]の様子に違和感を感じ、イデア1人では判断しきれず弟のオルトを呼びに行こうとした。
[#da=1#]はそれを許さず、後ろを向いたイデアの服を思い切り引っ張ると、首が締まったらしく上から潰れた声が聞こえた。
『広まると厄介だから先輩1人に来てもらったんです。いざとなれば研究員たちに襲われたと叫んで騒ぎを起こしますよ』
「はあああ?濡れ衣やめてよ。……でもどうやって君自身のことを証明するのさ」
『今日一緒のメンバーに証人がいます。呼ぶならその人を呼んでください』
「証人ってアズール氏?」
『いいえ』
「じゃあ、ヴィル氏?」
『違います』
幸いにも唯一あのメンバーの中には彼がいる。
その人物の名前を伝えると、イデアはこれでもかというほど目と口を開き呆然とした。