6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「あー、皆さん。暗くて陰気臭い、嘆きの島……【S.T.Y.X】本部へようこそ」
「「「「「『…………!!』」」」」」
「アンタは……!」
「ど、ども……【S.T.Y.X】所長代理、イデア・シュラウドです。フヒッ……」
輸送機から全員が目をこらしながら出てくる。
光に目が慣れてくると、そこには学園の制服とは違う装いのイデアが立っていた。
イデアの自己紹介を聞いて[#da=1#]たちは固まった。
「「「「「『……………は?』」」」」」
「あれ……なんかノリ悪いね。「えーっ!?」とか、「うそーっ!?」とかない?」
「驚きすぎて、逆に落ち着いてきました」
「確かに、シュラウド家と、【S.T.Y.X】になんらかの繋がりがあるかもしれないとは話してた。で、アンタが所長代理?……”なんらかの繋がり”どころじゃないじゃない!」
『まさかの【S.T.Y.X】そのものだったなんて…』
「おいカイワレ大根。まずこの状況について説明しろ。この俺をエコノミークラスどころか乗り心地最悪の輸送機に何時間も閉じ込めたんだ。くだらねぇ理由だったら、総入れ歯にしれやるからな。ガルル……」
イデアはイメージと違った反応が返って来たことに納得がいかないようだった。
しかしそんなイデアにヴィルとレオナから抗議があがる。
イデアはレオナの脅しを聞いてビクッと肩を跳ねらせた。
「歯をむき出す獣人属の威嚇こわ……それについては順を追って説明するから、まずは落ち着こ」
「いきなり学園を襲撃し、武力行使で強制連行しておきながら、「まずは落ち着こ」?」
「そう言われて落ち着けるわけがないだろう!!!首をはねられたいのか!!」
「被検体A、魔法構築の開始を確認。スタン・システムで意識を……」
「あーーー、待って。ちょいタイムタイム」
イデアの返答に次はリドルとジャミルが怒りを露わにする。
詳しいことを聞かされていないまま無理やり連れてこられたのだ。ここまでの対応に怒るのも無理はない。
リドルが魔法を使おうとするのを制止するべく構えたカローンにイデアは待ったをかけ、武器を降ろし後ろに下がったのを確認すると、前に一歩進みニヤッと笑った。
「ナイトレイブンカレッジからお越しのみなさん……なにか忘れてるんじゃないかなぁ?」
「「「「「『え?』」」」」」
「君らが今いる場所はどこ?そんで僕は誰だっけ?…………僕がボスだ」
「「「「「『……!!!』」」」」」
「僕に痛いことをしないなら、僕も君らに痛いことはしない。OK?」
「兄さんの推奨行動により、みんなが負傷する確率が56%低下するよ」
イデアの言葉にあんなに騒いでいた全員が息を飲んだ。
学園で過ごしているときの様子と違いすぎることに衝撃を受けている。
オルトが抵抗しないことによる具体的なメリットを説明し、ヴィルは小さく息を吐いた。
「……いいでしょう。今は他に選択肢もないし、大人しく従ってあげる。それで?無理やり招待したからには、お茶の用意くらいはしてあるのよね?」
「態度と発言から”大人しく従う”意思が微塵も感じられない……まあいいけど。じゃあ、みんな僕についてきて」
ただ黙って言う事を聞くつもりはない、という意思がヴィルの言葉からひしひしと伝わってくる。
イデアは被検体たちの誘導を始めると、オルトに小声でお茶の手配をしてくるよう伝えた。
「……それじゃ、みんなここに入って綺麗に洗浄してきて。そこで着替え含む荷物は没収しマス」
『…え、は?着替えも?洗浄?』
「だってここは研究所だよ?外の雑菌を落としてもらわないと。みんなには【S.T.Y.X】が用意する被検体用の服を着てもらう。もちろん実験が終われば返却するから安心してもろて」
大きな扉の前まで移動すると、イデアは次の指示を被検体たちに伝えた。
話を聞いた[#da=1#]は固まる。扉の大きさからして全員で着替えを行う可能性があり、[#da=1#]も一緒に行わなければならなくなるのだ。
認識阻害の魔法道具を身に着けているとはいえ、さすがに酷だろう。それに万が一ということもある。
[#da=1#]とレオナが互いをチラリと見ると、[#da=1#]から行動に出た。
『う……すみません。なんだか気分が悪くなってきました……輸送機に同じ姿勢で長時間揺られていたからかも……お手洗いやエチケット袋はないですか……?』
「えぇ!?ちょっと、ここではやめてよ!?ハァーーーー仕方ないな……トイレ使っていいから。さっさと済ませてきて」
「俺たちにも被害が出ればたまったもんじゃねぇな。時間かかってでも全部吐き出してこい。先に俺たちで着替えてこようぜ」
今ならオルトが別行動で不在にしているから体調の変化を分析されることもない……そう考えた[#da=1#]は、体調不良を装って気持ち悪そうに口元を抑えた。
その様子を見たイデアは心底嫌そうにトイレの使用を許可する。
レオナはすぐに戻らせないために急がなくていいからと伝え、さらに他の被検体たちを誘導した。
「そうしましょう。[#da=1#]、後でね。お大事に」
『ありが、とうございます………うぷ……』
「ちょちょ…!早く案内してやって!」
レオナの提案に頷いたヴィルたちは扉の中へと進み、それを見送った[#da=1#]は職員の1人に案内されトイレへと移動した。