6章
お名前編集はこちら
この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「………で、話がまとまったところで……さっき、ネージュの話を聞いてからずーっと気になってたんスけど。ルーク先輩がロイヤルソードに票を入れたのって、やっぱネージュの影の努力を知ってたからっすか?」
「まさか!VDCの舞台の上で言ったことが全てだよ。彼らのパフォーマンスが私たちよりも素晴らしいと思ったから、投票しただけさ」
会話もひと段落つくと、エースが気にかかっていたということをルークに質問した。
それに対し、ルークは感じたままに投票しただけと答える。
しかしエースには説得力を感じられないようだ。
「え~?ホントに?だって、ファンクラブの会員No.2のガチファンなんでしょ?それこそ、冷静に評価なんかできなくね?」
「いいえ、違うわ。アタシたちの中で冷静に”ステージの上のパフォーマンスのみ”を評価したのはルークと[#da=1#]だけだったのよ。ルーク。アンタも気付いていたんでしょう?アタシたちの動きが、リハーサルのときとは比べものにならないくらい、お粗末なものだったって」
「それは……」
「正直に言って」
『僕と同じくパフォーマンスだけを見ていたなら、たぶんルーク先輩の方が近くでみんなを見ていて違和感を感じたんじゃないでしょうか』
彼はあくまでも冷静に評価していた、と会話に参加したヴィルがルークに別の視点で問いただした。
ヴィルの真っすぐな視線と[#da=1#]の追い打ちによって、ルークは観念したように頷き話し始めた。
ルークのポジションは後列袖側。だからレッスンのときからずっと、NRCトライブの全員を見ることができていた。
練習の度に成長していく様子も感じていたからこそ、あの舞台の上でその輝きが発揮されていないことがわかったという。本来の実力ではないと感じたのは[#da=1#]だけではなかった。
「………とても悔しかったよ。けれどどんなにカバーしようとしても、私自身、体が思うように動かなかった。みんなも同じだっただろう。とても苦しい中で演技をしていた。だから私は……」
「んだばって!ルークサンは褒めてぐれだっきゃ!あのどぎ……みんなして舞台から降りだどぎ!今まででいぢばんいしたパフォーマンスだったって!あれ嘘だってな!?」
ルークの話にエペルは異議を唱えた。
エペルの言う、ルークが褒めてくれたという言葉はサポートメンバー含めた全員が聞いている。
それを言ったことはルーク自身も覚えているようだ。
「ええ。確かにルークは「素晴らしいパフォーマンス」と言ったわね。……だけど、「最高に美しい」とは、一言も言ってくれなかった」
「はっ!」
『……確かに…ボーテもなかったな……』
「ずっとアタシたちを見ていてくれたから、過去最高のパフォーマンスができていないとわかっていた。だから、ルークなりにアタシたちの”全力”に最大限の賛辞を贈ってくれたのよね?…でも、[#da=1#]と同じように自分の心に嘘ついてNRCトライブには投票できなかった。まぁさっきアンタが軽くそう言ってたんだけど……そうでしょう。ルーク」
ヴィルの言葉にエペルと[#da=1#]はルークの言葉を改めて思い出しハッとした。
「今までで一番素晴らしいパフォーマンスだった。私は、キミたちと共に舞台に上がれたことを誇りに思う」——確かにそう言った。その中に”美しい”の単語は1つも出ていない。
見事言い当ててみせたヴィルに、ルークは感心したように彼独自の呼び方で名前を呼んだ。
「………毒の君。キミにはなんでもお見通しだね」
「お見通しもなにも、初めて会ったときからアンタはずっとそういうヤツじゃない。アンタ、アタシに初めて会った時なんて言ったか覚えてる?初対面なのに、開口一番…「やあ!先日キミが出演している舞台を見たよ。キミのことは」……」
ズドン!!!!!!
「「「『!?』」」」
「じ、地震!?」
突如何かが爆発したような衝撃音と共に、オンボロ寮全体が大きく揺れた。
その突然の衝撃に全員が思わずよろける。
エペルが地震を疑ったが、揺れは収まったのにバキバキとどこかで異音が鳴っているため可能性は薄い。
ふと、ルークは外の様子が目に入り地震ではないことを伝えた。
「……いいや違う!みんな、窓の外を見て!」
「なんだあれ!?スケボーみたいな板に乗った奴らが、いっぱい空を飛んでる!」
「なんですって?この学園は特別な行事がない限り、外部からの侵入者を防ぐために魔法で結界が張られているはず」
「まさか、さっきのは結界が破られた音か!?」
「一体どうやって……」
ルークの言葉に全員が窓の外を見ると、カリムが驚愕した。
ヴィルの言う通り、学外の者でも出入りができる総合文化祭はつい最近終わっているため、それなのに部外者が学内にいるのはおかしい。
それも衝撃音と装いの様子から平和的ではないだろう。
「こちらへ向かってくる。数は1、2、……」
『…3つです!』
「みんな伏せて!」
ルークは耳に手を添え飛行音が近づいていることを告げた。
人間でも聞き分けられることに驚きつつも[#da=1#]は数を伝えると、間もなく窓がガシャーーーーン!!と大きな音を立て派手に割れた。
「うわあああっ!?」
「ゲホッゴホッ……!な、なに!?」
「ユウ、無事か!?」
「う、うん。…ありがとうエド」
『……間に合った……』
[#da=1#]は隣にいた魔力のないユウが一番危険と判断し、伏せるユウに覆いかぶさるようになって共に伏せていた。
オンボロ寮内には土埃が舞い、その中から鎧のようなものを身に着けた人物が3人姿を現す。
「カリム、下がれ!見たこともない装備……一体何者だ!?」
「こちらヘプタ班。被検体DとEとGを目視で補足した。捕縛行動を開始する」
「どこの誰だか知らないけれど、窓から訪問するなんて礼儀がなっていないわね」
ジャミルが主であるカリムの前に立つ。相手は誰かと通信しているようでジャミルの質問に答える様子がない。
その言葉の中には被検体や捕縛といった不穏な単語が聞こえる。
明らかに異常な様子と装備にヴィルは声をあげた。
「緊急対処事態と認定!ポムフィオーレ寮長の権限において、侵入者への攻撃魔法の使用を許可する!」
「ウィ!」
「スカラビア、ポムフィーレに同じ!構えろ!」
「はっ!」
「1年生は後方待機!ハーツラビュルとオクタヴィネルは寮長に連絡!」
「「「『は……はいっ!』」」」
ヴィルの号令でルーク、カリム、ジャミルがマジカルペンを構えた。
1年生の[#da=1#]たちはヴィルの指示に従い、後ろへ下がれるだけ下がりポッケからスマホを取り出す。
「………被検体D、E、G、共に抵抗の意思を確認。交戦許可を願う。……認証。捕縛作戦プランCを展開する」