6章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「そういえば、ヴィル先輩がいるのに何も話してないな」
「どうした[#da=2#]?体調でも悪いのか?」
スカラビアの2人が[#da=1#]をまじまじと見つめる。
ジャミルの言う通り、いつもならヴィルの言うことによく頷き、何かしら肯定するようなことを言うはずだった。
話を呼ばれても変わらず黙っている[#da=1#]に全員の視線が集まり、耐え切れくなったようで重い口を開いた。
『………ポムフィオーレの3人には、みんなに謝りたいことがあるって言ったと思うんですけど……』
「ええ、そうね」
『………ハァ………僕は……………どの学校にも投票することができませんでした』
「「「えっ?」」」
『なので……ナイトレイブンカレッジが優勝を逃したのは僕にも要因があります。すみませんでした』
「「「えええ~~!?」」」
なんと、[#da=1#]は投票すらしてないなかったらしい。
話を聞いたメンバーたちは驚愕した。
その1票があれば同率に持ち込めただろう。
「投票済ませるのが早かったなと思ったら……」
『気持ちは入れたかったよ。あんなことの後なのに、みんなノーミスで踊りきってみせたのもすごいと思ったし。でも……』
「ヴィル先輩の言っていた、実力を出し切れていない部分が投票の邪魔をしていたというわけか」
[#da=1#]が気まずそうに話したあと口ごもる。
その先を察したジャミルが解説したことで、[#da=1#]は頷いた。
『……演者としてではなく客席から見ていたから…全体が見える分、レッスンのときと比べてしまって……このチーム本来のパフォーマンスレベルを知っていると、他の学校を見ても入れようと思えないしで……』
「……結果、どこにも入れられず…ということか……」
「そういうことだったんだね…」
[#da=1#]なりの理由に、興奮ぎみだったデュースとエペルは徐々に声を落とした。
しかしその話にエースはイマイチ納得できないようで、素直に思ったことを口にしてしまう。
「あーあ…ルーク先輩以外にも裏切り者がいたのかよぉ…」
「裏切り…そうだね。私たちは自分の本当の思いをごまかせなかった結果、彼らと共に思い描いていた未来を捨てる選択を取ってしまった。裏切りと言われても仕方ないね」
『はい…ルーク先輩みたいに、その場の1番を決断することができればまだ潔かったんですけど……』
「アンタたちの席は前列のほうだったから様子は見えてはいたけど、投票のときに微妙な顔をしていたのはそういうことだったのね」
ただ何もせず画面だけを凝視する——どうやらヴィルは、その異様な雰囲気が目に入っていたらしい。
さすがですね、と[#da=1#]は力なく答えた。
『すぐに謝罪できず後出しみたいになってしまって…そもそもNRCに投票しろって話なんですが…すみません』
「いいえ。あの映像を見た限りは、アンタが普通の観客だとしても票を入れるとは考えにくいわ。正直に話してくれてありがとう」
[#da=1#]は再び謝罪し頭を下げる。
しかしヴィルは、この白猫の能力を考えると、必ずしもNRCに投票するとは断言しにくいことを伝えフォローした。
続けて「むしろ、票を入れなかったチームメンバーが他にもいたことで説得力が上がったわ」と言いながら目を瞑ると、メンバーひとりひとりを見渡した。
「[#da=1#]もルークも、アタシたちのチームが最高に美しいと感じなかったのは、間違いなくあの戦闘のせいよ」
『…………』
「”全力”だった。でも、”万全”じゃなかった。アタシは、アンタたちメンバーを”万全”な状態でステージに送り出すことができなかった。VDCで優勝できなかったのは、アタシのせい。本当に、リーダー失格よ」
ヴィルは、結局は自分に責任があると主張した。
そういうことで真実を話したのではない、と[#da=1#]は返したかったが、ヴィルの言う事にすぐに言い返せない自分を恨めしく思い、奥歯を嚙み締めた。