1章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「フロイドーまかないできたよ。寮長呼んでくる」
「んー。そしたらみんなまかない食べてあがっていーよ」
閉店作業もほぼ終わったことと上級生がフロイドに声をかけたことであがる事になった。
毎日ではないが、賞味期限の切れそうな食材や、半端に余った食材を処理するためにまかないが振舞われることがあるらしい。
もらったのはキノコがふんだんに入ったミートソースパスタだ。
食べているエディシアの横にフロイドが「一緒に食べよ~」と言ってやってきた。
あれから帽子はフロイドの帽子の上に乗せられている。器用なものだ。
「2人ともお疲れさまです」
「僕らもお邪魔しますね」
「あ、ジェイド~アズール~!おつかれぇ」
『お疲れさまです』
ジェイドの皿には山盛りのパスタが盛り付けられている。
運動部並みか下手したらそれ以上の量だ。
フロイド、エディシア、アズール、ジェイドの順で座る形になった。
「あの件からずいぶんエディシアさんに懐いたようですね。どうです?片割れを盗られた気分は」
「フロイドが楽しそうにしているなら何よりですよ。双子だからと何でも共有したがるような稚魚に見えていましたか?」
「ブルーテトラちゃんこれあーげる」
『…いや、こんなにあったらキノコの味しかしなくなりそうなんですけど…』
「なんか文句あんの?」
『いただきます』
フロイドはやたらとキノコを皿に乗せてくる。
懐かれているのではなく食べたくない物を処理させるために横に来ただけの様子だ。食べても食べてもキノコが横流しされるので減らない。
このキノコ自体は食感もよく、ミートソースの味付けにもマッチしていて非常においしいのだがなかなか麺に辿り着けずにいた。
左は食えと1年を脅し、右は現在も寮長副寮長が煽り合っている。ちょっとしたカオスだ。
「フロイド、少しは自分でキノコを食べなさい」
「だってもう1週間キノコ料理続いてんじゃん、オレもうやだって言ってるよね?」
「愛情込めて育てたのですごく美味しいんですよ、フロイド」
『1週間…しかもこのキノコ、ジェイド先輩が栽培したんですか』
「はい。自慢のキノコたちです」
一向に減らないキノコを食べ続けている様子にアズールが助け舟を出す。
と言ってもフロイドの皿から9割はキノコが消えた頃だが。
しかしこんなぷりぷりで上質なキノコの栽培をジェイドが行っていたのも、1週間キノコ料理が出続けていることにも驚いた。
まだまだ栽培したキノコが大量に眠っているようなのできっと明日も出てくるだろう。
なんでも、ジェイドは山を愛する会の活動で気になるキノコや植物を見つけては持ち帰って研究しているらしい。キノコを自家栽培する高校生はなかなか聞かない。
海の中では経験できない事を楽しんでいると考えれば微笑ましい気はする。周囲に被害がなければ。
『そういえば、さっきフロイド先輩から3人は人魚って聞いたんですけど何の人魚なんですか?他にも人魚の生徒がいるんでしょうか』
「僕は」
「アズール。せっかくですからエディシアさんに当ててもらいましょう」
『素直に教えてもらうだけでいいんですけど』
「他の奴らは興味ねーから知らないや。オレらはなんだと思う?ヒントは~オレらがアズールを捕食する側」
『ヒントって知ってます?』
イソギンチャクとクマノミのように共存する関係ならまだ限定はされるが、捕食する側とされる側だけではただの自然の摂理でヒントにもなっていない。
エディシアは今得られる情報を3人を見て探し思い返す。海の生き物に詳しいわけではないが浮かんだ種類を挙げてみた。
『2人はシャチで、アズール先輩はイルカ…とか?』
「なっ…」
「おやおや」
「残念でした~ハズレ」
「ちなみに理由をお伺いしても?」
『リーチ先輩たちは背大きいし歯の感じとか雰囲気が…。アズール先輩はスラっとしてるし頭良くて何でもできそうな感じが…ぽいかなって…』
答えと理由を聞いた双子はニヤニヤ、アズールはしきりに眼鏡をクイクイしている。
イルカはまずかったか?と上司の機嫌を損ねた可能性がよぎり唾を飲み込んだ。