5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「全国魔法士養成学校総合文化祭inナイトレイブンカレッジ!音楽発表会〖ボーカル&ダンスチャンピオンシップ〗……全てのチームの発表が終了いたしました!それでは各校代表選手のみなさん、ステージへどうぞ!」
全ての発表が終わり、代表選手たちが再度ステージに上がった。
審査基準は歌唱力、ダンス、演者がどれだけ曲の世界観を表現できていたかとなっている。
出場者も含め会場にいる全員が投票権を持ち、QRコードからスマホで投票することで今大会の優勝チームが決まるのだ。
「こちらのリアルタイム投票集計ツールは、積極的な学生支援活動を行う”オリンポス社”よりご提供いただきました」
「ナイトレイブンカレッジを選択……っと」
『……………』
「…?どうしたんだゾ、[#da=2#]。投票の仕方がわかんねーのか?」
『いや。結果がどうなるのかなって考えてて』
[#da=1#]、ユウ、グリムのサポートメンバーは、代表選手ではないので関係者席にてスマホを操作していた。
自身の手にしているスマホをじっと見つめる[#da=1#]の様子にグリムが声をかけると、いつもの品の良い笑顔が返ってきた。
「大丈夫だよ。あれだけの歓声貰ってたし。まぁ心配なのはロイヤルソードアカデミーかなぁ」
「あそこもスタンディングオベーションととんでもねぇ拍手だったんだゾ…」
『ヴィルさんとネージュの人気もそうだし、完成度という点でもその二校に票が集中するだろうね』
「そうだ。みんなはどう話してるか聞こえる?」
『え、うーん…………周りの声や雑音が多すぎてよくわからないな』
ヴィルたち演者は代表選手としてステージに上がっている。
関係者席は一番前なので表情もよくわかるほど距離は近いのだが、会場内にはたくさんの観客と参加者やスタッフ、さらにBGMも流れており音が多すぎた。
これではさすがに猫の獣人である[#da=1#]でも、ヴィルたちだけの会話を聞き取るのは困難だった。彼らが叫んだり大きな声を発すれば別だろうが。
「エペルとデュースのヤンキーペアはちょっと不安そうだけど、すぐにカリムたちみたいにニコニコしだしたな」
「みんな落ち着いてるね。待ってる間みんなが何話してるかアテレコしてみない?」
『はは何それ。じゃあ……”優勝賞金くらいもらわなきゃやってらんないっつーの”』
「にゃはは!いかにもエースが言いそうなんだゾ!……”もしもの時は俺がドッカーンしてやるさ”」
「それジャミル先輩が知ったら宴の食材にされるよ。お、ヴィル先輩……”世界一になってみせる”」
『あーーー絶対そう。ヴィルさんへの解像度上がってきたね。いいよいいよ。ヴィルさんのファンの才能あるんじゃない?』
「ファンって才能がいるの…?」
「あと30秒で投票を締め切ります!……………3、2、1…そこまで~!!」
3人の緊張感が和らいできたところで、カンカンカン!と締め切りを知らせる音が鳴り響き、BGMも止まったことで会場は静まり返った。
集計中の間、張り詰めた空気が漂っている。1秒が10秒にも感じられるほど息が詰まりそうである。
「…………ただいま、集計が完了しました!こ、これは……こんなことがあっていいんでしょうか!?なんと、第1位と第2位の票数が、たったの1票差です!!!」
「い、1票差だとォ~~~~!?たった1票差で優勝を逃したら、悔しくて爆発しちまいそうなんだゾ!」
「お願いします神様仏様…!」
『1票差……』
なんと、1位2位は僅差の僅差。たった1票で世界一かそうでないかが決まる。
これまでの観客たちの反応からしてナイトレイブンカレッジかロイヤルソードアカデミーだろう。
問題はどちらが1位と2位なのか、だ。
会場内にはちらほら両学校の生徒たちがいるが、比率は特に偏っていなさそうなので生徒数から予測するのも難しい。
「全国から集まった、実力ある学生たち。その歌声は、ダンスは、どんな宝石にも負けない輝きを放っていました。全てのチームに優勝のトロフィーを進呈したいところですが、涙を飲んで発表させていただきます。〖ボーカル&ダンスチャンピオンシップ〗世界一の栄冠を手にする、優勝校は……………」
『世界一の座は……!』
「焦らさないで早く発表を……!!
司会者が結果を溜め、その間ドラムロールが鳴り続ける。
会場の全員が表情を強張らせているこの時間が、先ほどの集計時間よりも長く感じさせた。
そしてドラムロールの音が止まり、司会者はついに口を開いた。
「ロイヤルソードアカデミーです!」