5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「ダメだ、ルーク!!!!!」
「黄金の君!どうしてここに?それに、ユウくんに、グリムくん…[#da=1#]くんまで」
「[#da=1#]…!?」
「えっ?ほんとだ、[#da=2#]!」
『………』
カリムがルークの持っていた林檎ジュースの瓶をはたき落としたことで、ジュースは床に落下しとても飲める状態ではなくなった。
ルークはカリムを見たと同時に、後ろでユウ、グリム、さらにその後ろを[#da=1#]が見ていたことに気付いた。
ユウとグリムはまさか後ろに知り合いがいるとは知らず、ヴィルと同じように小さく驚きの表情を見せた。
「カリム、なんで急にルークの持ってたグラスを叩き落としたんだゾ!?」
「ハァ、ハァ……ま、間に合った…!!」
「アンタたち、どうして…」
『ヴィルさん……”アレ”をネージュに飲ませようとしてましたけど……何かの冗談ですよね…?』
「…………」
『ヴィルさん…!』
ジュワアア……
[#da=1#]がヴィルのそばに向かおうとすると、床にこぼれた林檎ジュースがボコボコと泡立ち煙が立ちあがった。さらにその液体は毒々しい緑色に変わっていく。
グリムは驚いて飛び上がりユウにしがみついた。
「——これ、ヴィルがユニーク魔法で”呪い”をかけたジュースだったんだろ?」
「にゃにッ!?」
「ライバルに呪いをかけようと……?」
『……そう…呪いの林檎ジュース……』
「さっきネージュのリハを見た後のヴィルの顔を見て嫌な予感がしたんだ。ホリデー中に暴走した時のジャミルと、よく似た顔をしてたから」
「……………」
カリムがこぼれた液体を指さし言い切ったことで、[#da=1#]は改めて確信となった事態にうつむいた。
ヴィルは彼らの様子を見て押し黙った後、ルークに尋ねた。
「………ルーク。アンタ、なんで飲もうとしたの?気付いてたんでしょう。アレを飲めば、タダじゃ済まないってこと……」
「信じてみたかったからさ。誰よりもひたむきに努力し、高みを目指していたキミを。キミが自らの美を汚すような、愚かな真似はしないと……だが同時に、もしキミがあの林檎ジュースに呪いを込めていたとしたら、味わってみたかった。狂おしいほど美への執着がこもった、毒の果実の味をね」
「なに言ってんだよ、ルーク!そんなの、そんなの絶対ダメだ!」
ルークはヴィルへの信用と共に美への好奇心からとってしまったそうだ。
しかしその返答にカリムは強く否定した。
いつもにこやかなカリムの表情や声色には珍しく怒りが現れている。
「なあ、ヴィル。自分がどれだけ馬鹿な真似をしようとしたか、わかってんのか!?オレたち以外のチームが全員ジャガイモに見えるくらい、スゲーパフォーマンスで世界一になるんだって言ってたじゃんか!それなのに、なんで……」
「は…あはは…そんなの……アタシが一番聞きたいわよ………でもね、アタシ、わかってしまったの。”もう絶対に勝てない”ってことが!!!」
『!』
カリムはヴィルに改めて詰め寄った。
合宿の間、ヴィルの美への意識の高さや、練習に本気で向き合っている様子をずっと見てきたカリムにとって大きなショックだったため、何かの間違いであってほしかったのだ。
しかしショックを受けていたのはヴィル自身もだった。
「だから、アタシ………アタシは、アタシは、ネージュをこの手で……!」
「ふな”ッ!?なんだ!?床にこぼれたジュースがまた動き出した!?ど、どんどん床に広がっていくんだゾ!」
『…うっ……ゲホッ…!』
「なんだこの煙!?い、息が……、苦し……っゲホゲホっ!」
「ユウくん、カリムくん、[#da=1#]くん、吸い込んではいけない!ヴィルのユニーク魔法は、”美しき華の毒”!物体に”呪い”を付与することができる。この霧は呪われた液体が気化したものだ。吸い込めばたちまち身動きが取れなくなってしまう」
液体の煙が本来の量よりも大きく広がっていき、たちまちカリムたちの肺に侵入し咳き込んだ。
その煙は液体に込められた呪いが生きているようだ。
ただここまで大きく変化し影響を及ぼすだろうかとルークが思案した直後、1つの可能性がよぎったがもう遅かった。