5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「みんな~っ、出ておいで~!」
「「「はーいっ!」」」
「……!!??」
ロイヤルソードアカデミーのリハーサルを見ることにしたNRCトライブたちは、ネージュに呼ばれてステージに上がったメンバーたちを見て驚愕した。
そこには、先ほど[#da=1#]たちが見かけたドワーフ族たちが立っていたのだ。
「会場のみなさん、はじめまして!僕はロイヤルソードアカデミーのネージュ・リュバンシェです。さあ、みんな。ご挨拶は?」
「スニックです……へぷちっ!」
「私はドミニクです!」
「グランだぜぃ。ケッ!」
「ふわぁ~あ……シェルビィ……でしゅ。むにゃ……」
「イエーイ!僕、ホップ!ピースピース!」
「てっ、てっ……ティミー、です。ひゃぁ~はずかしい……」
「………ん?ぼくの名前はなんだっけ?」
「すっとぼけてんじゃねぇや、トービー!」
「えへへ、そうだったぁ。トービーだよぉ!」
ステージ上でロイヤルソードアカデミーのメンバーたちが1人ずつ自己紹介をした。演出の1つらしい。
ネージュ以外のメンバーは7人のドワーフ族で構成されている。
その様子はナイトレイブンカレッジとは違った意味で高校生と思えない雰囲気である。
「小さなドワーフ族が7人も…」
『7人ともかなり個性的だな…あの学校ってあざとさが入学資格だったりするの?』
「みなさんに楽しんでもらいたくてたくさん練習してきました。聞いてください。”みんなでヤッホー”!」
ネージュの曲名発表を合図に音楽が流れた。
その曲は輝石の国出身者には効き馴染みのある動揺がアレンジされたものだった。
動揺というだけありかなり中毒性がある。初めて聞いたカリムはその洗礼をさっそく受けてしまったようだ。
「なーんだ。誰でもできる簡単な振り付けじゃん。しかも全然揃ってねーし」
「あっ、1人転びそうになった!……ネージュが助けたけど、他のヤツらもみんな危なっかしいんだゾ」
「正直、クオリティはたいしたことないな」
「これじゃオレたちのライバルにもならねーっすね、ヴィル先輩!」
「…………やられた……ッ!」
「「え?」」
『…周りの人たちの反応をよく聞いてみて』
「「…?」」
パフォーマンスを見たエース、グリム、ジャミルは軽視したが、ヴィルはというと呆然と立ち尽くし目を見開いていた。
自身たちと真逆のヴィルの様子に疑問を浮かべたエースたちに、[#da=1#]は苦虫を噛み潰したような顔をしながら言葉を添えた。
「ヤッホ~、ヤッホ~、たのしいうた~♪懐かしいなあ、この歌!」
「ああ~無邪気で可愛い姿を見ていると、日頃のストレスが消えていく感じするよ」
「わかる。すごくあったかい光景で……何でか泣けてきちゃうな……グスッ」
「踊りも不揃いで、ハモリもがたがた…なのに、目が離せない。全力で応援したくなる!」
動揺という幼稚な曲と、高精度とは言えない稚拙な歌やダンス。
しかし年代問わず耳に入りやすい動揺で聞き入らせ、パフォーマンスもグリムのように結果的に見入りやすい上に稚拙さがある意味曲に合っている。
彼らがどこまで考えていたのか知る者はいないが、選曲・パフォーマンス・メンバーが見事に嚙み合った完成度の高い演出に、その場のスタッフたちは釘付けとなっていた。
「みんな~っ、聞いてくれてありがと~!大好きだよ~!」
「「「わああっ……!!」」」
「おい、すぐネージュの事務所に確認とれ!今の映像、今日の夕方のニュースで流すぞ!」
「はいっ!確認とってきます」
「こりゃ、可愛い猫ちゃんの動画よりよっぽどバズりそうだ!」
『…まずいな…』
[#da=1#]はヴィルの出演する作品をくまなくチェックしていたため、その相手役としてたびたび共演するネージュのことは知っていた。
どうせ演技だから。そう思おうとしても彼から滲み出る”親しみやすさ”は本物で、実際に世間からも”好感度No.1タレント”と呼ばれるほど愛されている。
ネージュの最大の武器がいかんなく発揮される瞬間を実際に目の当たりにしたことで、その脅威を再認識した。
「スタッフのみなさん、リハおつかれさまでした!」
「お疲れ様、ネージュくん!最高のパフォーマンスだったよ!感動で痺れちゃったなあ!私たちは輝石の国のTV局の者だけど、ファンに向けてコメントもらっていいかな?」
「はい。もちろんです!」
「どうして動揺のアレンジを歌おうと思ったの?」
「〖VDC〗を見てくれるみなさんと一緒に楽しみたかったんです。だから、馴染みがある曲のほうがいいと思って。僕、今回〖VDC〗に出ようと思ったきっかけは、学校の友だちと思い出作りがしたかったからなんですよ。でも友だちとだけじゃなく、世界中の人と一緒に歌えたらもっと素敵な思い出になると思って」
「さすがネージュくん。自分たちのことだけじゃなく世界中の人のことを考えてるんだね。さっき撮った予告映像も早速マジカメで拡散されて…「かわいい!」「うちの子が真似して踊りだしました」「世界一平和で、美しい光景」ってすごく盛り上がってるよ。これは〖VDC〗も優勝が狙えそうだね!」
「えぇっ?そんなの、まだわかりませんよ。でも、ありがとうございます!」
リハーサルを終えたネージュに、先ほどヴィルにインタビューをした報道スタッフが同じように質問を始めた。
なんと参加を決めたのは思い出作りのためという、些細なきっかけからだったのだ。
そこから世界中の顔も知らない人々のために選曲をしたとはなんとも心優しい。まさにロイヤルソードアカデミーの生徒らしい考え方だ。
「—————………………」
「………ヴィル。ヴィル?」
「え……?」
「どうしたんだい、青い顔をして。具合でも?」
「いえ……大丈夫よ。なんでもない。……見る価値のないお遊戯だった。アタシ、先に控室に戻ってるわね」
『…、お気をつけて』
インタビューの様子をヴィルの顔は真っ青な顔で聞いていた。
目線も心あらずといった様子で、ルークに心配されるも控室へと1人戻ってしまった。
ヴィルの遠くなっていく背中を[#da=1#]はジッと眺めた。
「うっ、今のは…こないだ見た夢……?」
「ユウサン。ぼーっとしてるけど…大丈夫?」
『ユウも控室に戻っておく?』
「なんだぁ?腹が減りすぎたのか?」
「お前じゃないんだからさー」
「大丈夫。みんなありがとう」
「でも、確かに腹は減ったな。本番前に何か食べに行くか」
ヴィルの次はユウの様子に異変が出た。
いつか話していた夢のことがまたよぎったのだろうか。
特に問題ないことを確認したデュースたちは軽食を食べに行くことにし一旦コロシアムを離れることにした。
「……………——”Mira、Mira”教えてちょうだい」
「はい。なにを検索しますか?」
「今この時、最高に美しいのは誰?」
「”美しい メンション数第一位 アカウント”についてのWeb検索結果は……ネージュ・リュバンシェです」
「…………………ネージュ!!!!」
バリーン!