5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「”首をはねろ”」
「「「グワーーーっ!」」」
「まだ文化祭が始まって間もないというのに、早速騒ぎを起こすなんて。ハートの女王の法律以前の問題だ!!」
リドルの速攻の魔法が相手のNRC生を襲った。
瞬時に3人に首輪がつけられ、戦力を半減させる。
「ちくしょ~……よりによってローズハートに見つかるなんて……」
「しかもオクタヴィネルの白猫野郎もいやがる……」
「肉弾戦でも望み薄かよ……」
「ナイトレイブンカレッジの品格を貶めた罰だよ。しばらくその首輪をつけたまま反省するがいい!」
「「「お、覚えてろ~~!」」」
首輪をつけられた生徒たちはリドルと[#da=1#]を交互に見ると諦めたようで、なかなか現実では聞かない捨て台詞を吐きその場から走り去って行った。
姿が見えなくなったのを確認すると、トレイは被害に遭っていた来場者たちに声をかけた。
「君たち、大丈夫か?うちの生徒がすまなかったな」
「は、はい………へぷち!」
「助けてくださって、ありがとうございます」
「なんだか可愛らしいひとたちだな。耳が尖ってるけど、妖精属かな?」
『ドワーフ属らしいよ』
声をかけられた少年はくしゃみをしながら返事をした。
ユウが[#da=1#]に疑問を囁くと、先ほどのやり取りを聞いていたようで答えが返って来た。
「その制服……君たちはロイヤルソードアカデミーの生徒だよな?」
「はい、そうなんです!」
「えぇ?オマエら、オレ様とそんなに背丈が変わらないのに、ホントに高校生なんだゾ?」
「さっきから、なんなんだ!失礼な奴らだ!オレたちはドワーフ属にしちゃでかいほうなんだぜぃ。ふんっ!」
「グラン。やめなさいったら」
グランと呼ばれた少年は強気な性格のようでツンツンしている。それを眼鏡の少年が注意をしたが、そのやり取りは日頃からよく交わされていそうだ。
どうやら同じ学園のドワーフ属が他にも4人いるようではぐれてしまい、現在探しているところらしい。
「ふ~っふっふ~ん♪お探しものかい?それなら、この俺様に聞いてみにゃぁ」
「『うわっ!?』」
「うわーーーーーッ!生首おばけ!!!!」
「「チェーニャ!?」」
放送で呼びかけるか話していると、頭だけで浮いた人間が突然目の前に出てきた。
不意に現れたことで1年生の3人は叫び、リドルとトレイは生首の名前を呼んだ。
名前と相手の特徴からグリムは、以前ハーツラビュルの庭で会ったことを思い出したようだ。
相手はアルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカーと名乗る。名前の長さからユウと[#da=1#]とグリムは頭にハテナを浮かべ見合わせた。
「あっ、チェーニャ先輩。トービーたちがどこにいるか知ってるの?」
「おみゃーたちが探してるお友達なら、あっちに行ってこっちに曲がったところを、そっちに行ったぜぃ」
「ありがとうございます、先輩。それからナイトレイブンカレッジのみなさんも。では!」
『あれで伝わったんだ…』
「アバヨ~、っと」
チェーニャははぐれたドワーフ属たちの居場所を伝えた。
同じ学園で過ごす時間も長いからかドミニクたちは理解したようで、最初に指をさした方向へと移動を始めた。
見送ったリドルたちはチェーニャに向き直った。
「チェーニャ、彼らと知り合いだったんだな。助かったよ」
「アイツらはウチの学校の2年生だで。顔くらいは知っとるよ。それに俺、道案内は得意だからにゃあ」
「てきとうに伝えたわけではないんですね」
『万人に伝わらなければ得意とは言えないでしょう』
「突然生首で出てくるしな!」
「ん~?ここの生徒たちには不評みたいだにゃあ?」
「道案内は得意」という言葉に1年生たちから総当たりを受けたチェーニャは特に気にしていない様子だった。
のんきに[#da=1#]と同じくらい長くて毛量のある尻尾をユラユラと揺らしている。
「久ぶりだね、チェーニャ」
「おー、リドル。おみゃーも元気にしてたかにゃ。去年の”なんでもない日”のパーティーぶりか?結局ホリデーは一度も顔をださんかったじゃにゃーの」
「ああ……連絡をくれていたのに、不義理をしてすまなかったね。ボクは特に変わりないよ」
「チェーニャ、悪いけど運営委員の仕事の途中なんだ。開場直後でバタバタしてるし、ゆっくり話をするのは後にしよう」
「そりゃご苦労さん。そいじゃぁ、俺は退散するかにゃ~」
「チェーニャ、そのユニーク魔法で他の来場者をおどかしてはいけないよ!」
「そいつは俺の気分次第かにゃぁ~。フンフフ~ン♪」
リドル、トレイ、チェーニャの3人は家が近く昔から知った仲である。
リドルの母親が厳しすぎるあまり彼らと遊ぶことが無くなったものの、ホリデーでは集まる予定だったようだ。
運営委員の仕事があるからということで解散する際も、チェーニャはハーツラビュルの”なんでもない日”の時のように姿を消しどこかへと行ってしまった。
次こそ、と改めて東校舎へ向かうこととなった。