5章
お名前編集はこちら
この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「展示ブースでは、文化部を中心に作品の発表や物販が行われる。4年生による研究や調査の成果が展示されているプースもあるから、興味があれば覗いてみるといい」
「そういや、クルーウェルが文化祭は4年生が戻ってくるとか言ってたんだゾ。普段は学園で姿を見ねぇけど、どこにいるんだ?」
展示ブースに向かいながらグリムが4年生について尋ねた。
1年生は入学式ですら4年生を見かけていない。そのころにはそれぞれの研修先に向かっているようだ。
「4年制の魔法士養成学校なら、ほとんどの場合4年目は学外へ実習に出ることになる。俺も来年はどこかへ派遣されて、ごくたまにしか学園には戻ってこなくなるはずだ」
『今のうちにトレイ先輩のお菓子を堪能させてもらわないと』
「はは、そう言ってもらえると作り甲斐があるな」
トレイは3年生。来年には、今の4年生のように学園で姿を見ることがほとんど無くなる。
他にも知った顔の3年生たちが研修先に行くため、学園にはキャラの濃い生徒ばかりだが、それでもいくらか物足りなさは感じるだろう。
トレイの話を聞いたグリムは「ほえ~~~……」と実習について追加の質問をした。
本来この世界の住人ではないユウも、いまいちイメージがついていないようだ。
「行政組織内にある特殊チームでの実習を希望する人もいるし、遺跡の発掘や調査、古文書の解読などを希望する人もいる。一般の魔法関連企業のインターンに出る場合もあるよ」
『改めて聞くといろんな実習先があるんですね』
「行政組織内にある特殊チーム?」
「ああ、そういえばユウは魔法がない世界から来たんだったか?それじゃあ馴染みがなくても仕方ないよな」
トレイはユウが異世界人であることを思い出し解説を始めた。
ツイステッドワンダーランドの消防や警察組織には魔法士のみで編成された選抜チームがある。
そのエリートチームの中でも一際優秀な魔法士を集め、様々な要請で特殊任務につく国際機関魔法機動隊が現代の魔法士職として有名かつ人気だ。狭き門ではあるものの小さい頃から憧れている人が多く希望者は絶えない。
その話を聞いたグリムは目を輝かせた。
「エリート!!オレ様も大魔法士になればその魔法機動隊ってのになれんのか?」
「モンスターが入隊したという話は聞いたことがないけれど、多様性の時代だからね……努力によっては、可能性があるかもしれない」
「いろいろな職業があるんですね。あんまり魔法使いっぽくないです」
「ふっ。現代の魔法使いは、箒で空を飛べるだけじゃダメだということさ。キミたちも将来のことを考えて、規律を守ってしっかり勉学に励むことだね」
「うへぇ、オメー本当に二言目にはそればっかなんだゾ~」
「質問をしておいてなんなんだい、その言い草は。失礼な」
『…将来か…』
「ははっ。1年生のうちは、将来のことなんて言われても実感わかないよな」
グリムはさっそく魔法機動隊を目指したいらしい。
[#da=1#]は今後について考えた。が、まずは進級が目標だ。卒業できなければ考え込んでも仕方がない。
「文化祭では研究発表のような堅い展示だけじゃなく、気軽に入れるブースもたくさんあるぞ。…そうだ。俺の所属するサイエンス部は、”観葉植物カフェ”をやるんだ。少し見ていかないか?」
「カフェ!食い物もあるのか?いくいく!」
トレイの提案にグリムがカフェと聞いて食いつく。
4週間の合宿で元々強かった食欲が今では底なしのようだ。