5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「おわ~!いつものコロシアムにでっけぇステージが出来てる!」
『だいぶ印象が変わるね』
最初に向かったのはやはりNRCトライブが披露するパープルステージ。
グリムは出店の食べ物を回りたいと駄々をこねていたが、いざ連れてくると興味が目の前のステージに移ったようだ。
「オーライ、オーライ……ストップ、ジャックくん。ポールはそのまま真っ直ぐ下におろして」
「うっす!……浮遊魔法の正確なコントロール結構難しいな」
「おい、関係者席は先に色のついたビニールカバーかけておけっつったろうが!さっさとしろ」
「ハイ!すんません!」
「あっあそこにいるのサバナクローのヤツらじゃねぇか?おーい!」
「おやまあ、オンボロ寮とオクタヴィネル寮の子猫ちゃんたち。設営の手伝いに来てくれたんスか?シシッ」
グリムが見知った顔を見つけ声をかけた。
サバナクロー寮のレオナ、ラギー、ジャックがグリムたちに気付いた。
ジャックがエースとデュースのサポートにいるのではと質問したので、最初に声をかけたグリムが説明した。
「ところで、この特設ステージってオメーらが作ってたのか」
「マジフト大会の時は、運営や整備まわりを文科系の部活が担当してたからな。今回はその逆で、運動部が雑用を押し付けられてるってわけだ。俺たち陸上部とマジフト部はパープルステージの設営を担当してる」
「生徒が作るんですね。そういうのは業者がやるものかと…」
「でかい催しとはいえ、文化祭はあくまで学校行事。プロに頼るところもあるけど、学生の手で作るのが基本ッス。ま、これも体験学習の一環ッスね」
運動部が設営を行っていることについてレオナが説明をし、それに対しユウは「へぇー」と感心した。
ラギーが付け加えると新しい声が参入した。
「キミたち。設営中におしゃべりをしているとは随分余裕がおありだね。作業は予定通りに進んでいるのかい?」
「!リドル先輩、お疲れ様ッス!」
「これはこれは運営委員長サマ。埃まみれの現場へようこそ」
「朝から力仕事をご苦労さん。運営委員から、温かい飲み物の差し入れだぞ」
「お、こりゃ気が利いてるッスね!野外での作業で、しっぽの先まで冷え切ってたとこッス。ありがたくゴチになりまーす!」
声をかけたのはハーツラビュル寮のリドル、トレイだった。
運営委員として見回りと差し入れをしにやって来たらしい。
「レオナ先輩、設営の進捗状況はいかがです?」
「ご覧の通り、報告するほどの遅れもねぇよ。あとは照明と音響の軽いテストをしたら12時からのリハ待ちだ」
「よろしい。このパープルステージは世界が注目する〖ボーカル&ダンスチャンピオンシップ〗が行われる。世界中から集まる代表選手のためにも細心の注意をはらって最終チェックを」
「へーへー」
「そうッスよぉ。世界中から金ヅル……じゃなかった。お客様が来るんスから。運営委員さん、トラブル起きないようにしっかり監督よろしくお願いするッス」
ラギーが運営委員へ要望したことでリドルは「キミがそれを言うのかい」と呆れた様子を見せた。
その後も軽くやり取りを交わし、トレイがリドルに見回りについて尋ねる。
「……さて、これで3つの特設ステージの見回りは終わりか?リドル」
「ああ。次は展示ブースや控室の見回りにいこうか。11時からは一般客の入場が始まる。もめごとや違反行為がないか、常に目を光らせておかないと」
リドルは寮長を自ら勝ち取ったこともあり、真面目で責任感の強い人物だ。
彼がこの後について話すとユウ、グリム、[#da=1#]に声をかけた。
「ボクたちはこれから校内を一周見回る予定だけれど……展示に興味があるのなら、一緒に来ても構わないよ」
『せっかくだし一緒に行ってみる?』
「そうだね、楽しそう!」
リドルの提案にトレイも「もちろん歓迎する」と賛成していたので、2人はお言葉に甘えさせてもらうことにした。
「それじゃあ、ユウ、グリム、[#da=1#]。また後でな。今日の〖VDC〗のチケット、同じクラスのエペルにもらったから俺も見に行くぜ。アイツらに「無様なところ見せんじゃねーぞ」って伝えておいてくれ」
「おう、わかったんだゾ」
『レオナ先輩。チケットは破ったり失くしていないですよね』
「それについてはオレがちゃあんと預かってるんで安心してください」
エペルはジャックに、[#da=1#]はレオナにチケットを渡していた。
エペルはクラスメイトだからというよくある理由だが、[#da=1#]は「NRCのパフォーマンスがお遊戯かどうかは実際に見て決めろ」という話を以前レオナと交わしていたため、招待状というよりは果たし状に近い。
日頃から身の回りの世話をしているラギーが管理しているようだ。