5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「おお……おおお~~~~っ!素晴らしい!なんて息がピッタリなパフォーマンス!やはりプロデュースをシェーンハイトくんに任せたのは正解でした」
『そうでしょう。ヴィルさんの手にかかれば採れたてのジャガイモだったエースやデュースも、泥を洗い落としたジャガイモになるんです』
「おい、なーに言ってんだそこの信者」
2週間後——
〖VDC〗当日まで1週間を切り、衣装である制服を着て練習することとなった。
もちろん学校代表としてというのもあるが、フレッシュさを感じるボーイズグループの衣装としても、制服を着るのはベストな選択だ。
そしてただの制服では動きにくいということで、ダンス用にストレッチをきかせた特別製となっている。
今回はそれを手配した学園長が途中経過を見学しに来ていた。
「〖VDC〗は音楽発表会。他校がどんな曲をチョイスしてくるかは、当日まで伏せられますが…この仕上がりは、確実に優勝を狙えるクオリティです。シェーンハイトくん。NRCトライブのみなさん。必ずやロイヤルソードアカデミーに打ち勝ち世界中にその美しさを示してください!」
「「「「ハイッ!」」」」
「なんか、今日の学園長やたら熱入ってねぇ?」
「あの人のことだ。俺たちが優勝すれば学園の宣伝になるとでも思ってるんだろ」
カリムの言う通り、学園長のやる気がみなぎっている。
衣装の提案はヴィルだが、手配は彼から申し出たとのことだ。
面倒事は何かと理由をつけて姿を消すイメージを持たれているが、今回はそんなことないらしい。
「そうだ。みなさんにこれをお渡ししておきます」
『…〖ボーカル&ダンスチャンピオンシップ〗関係者席チケット?』
「自分ももらっていいんですか?」
「〖VDC〗の観客席は、毎年大人気のプレミアチケット。開催校の特権で、関係者席をわずかばかりご用意しています。お友達やご家族にどうぞ」
「おお~ありがとな、学園長!ウチのとーちゃんとかーちゃんは、地元の映画館を何件か貸し切ったって言ってた。使用人や親戚を集めて、生中継を一緒に見るんだとさ」
「総合文化祭には遊びに来ると言ってたし、妹にでもやるかな。身内が見ていると思うと、少し落ち着かないが」
他にも用を思い出した学園長は、サポートチーム含めたメンバーそれぞれにチケットを配布した。
カリムは親戚たちにチケットを渡す必要はなさそうだが、ジャミルは妹に渡す予定のようだ。
衣装を届け途中経過を確認し、チケットも配り終えたことで用件が全て完了した学園長はボールルームを退出した。
退出前の応援もしっかり力強さを感じさせるもので、〖VDC〗にかける期待の強さがにじみ出ている。
「さ、それじゃあ練習を再開するわよ」
「「「「ハイ!」」」」
「なんか、最初の頃のちぐはぐ具合が嘘みてぇなんだゾ」
「本番が楽しみだね!」
『優勝も夢じゃないかも……いや、夢を現実にするんだ』
ヴィルの言葉にメンバーたちが綺麗に揃って返事をした。
グリムの言う通り、最初の数日と今の彼らが同一人物だとは思えないほどに変化している。
肌艶や髪質はもちろん、何より衝突やぎこちなさで良い空気感とは言えなかったのが、あのトラブル以降はメキメキと上達し息も揃うようになっていた。
合宿で共同生活を送るというのも良い傾向だったのだろう。
学園長からの太鼓判ももらい、ますますメンバーたちのやる気が増した。