5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「ぐはっ!……ゲホゲホっ!」
「はい、今日もアタシの勝ち」
勝負はあっという間にヴィルの圧勝で終わった。
その容赦ない瞬殺っぷりにエースたち1年生は青ざめる。
「おいおい、ヴィル。エペルはまだ1年生だろ?少しは手加減してやれよ。お前に勝てるヤツなんて、この学園でもそうそういないんだし」
「カリム、アンタは黙ってて。いいこと、エペル。初めて会った日にも言ったけど…自分の思うままにふるまいたいなら強く、美しくなりなさい。子どもじみた駄々をこねるのはやめてレッスンに戻るのよ」
「じ、じぐじょお………っ!!俺は、俺は……ううっ!」
バタバタッ……
エペルは歯を食いしばり、悔し涙を浮かべながらボールルームを飛び出してしまった。
デュースが声をかけるも振り返ることは無かった。
「放っておきなさい。これくらいで挫けるようなら、そんなメンバーはこっちからお断り」
「……その言い方はないんじゃないですか?あいつはあいつなりに、歌も踊りも頑張ってました。なのに…」
「——努力すれば報われるだなんて、甘えないで!!!」
ヴィルの厳しい言葉にデュースが意見する。
それに対してヴィルは、いつもの彼とは思えないほどの荒げた声を出した。
その勢いで畳み掛けるようにヴィルは続けた。
「だいたい新ジャガ2号。アンタは他人を心配してる余裕があるの?ダンスも歌も他のメンバーにかなり遅れをとってる。同じ時期にダンスを始めた新ジャガ1号に比べても差は歴然。自分が足を引っ張ってる自覚、ないとは言わせないわよ」
「それは………っ」
「チームきってのお荷物が、一丁前な口をきかないで」
「…………、すんません」
畳み掛けるように続けたヴィルの言葉にデュースは何も返せず、謝罪することしかできなかった。
ヴィルの迫力に気圧されたのはデュースだけでなく、下級生全員である。
美人が怒ると怖いというのは本当のようで、長年見ていたエディシアは演技ではなく初めて見る本心からの言葉に、しっぽが足の間に入ってしまっている。
「あーあー、怒られた。だから余計な首突っ込むのやめとけって、いつも言ってるじゃん。お前、バカだし要領よくないんだからさぁ」
「…………ッ!!うるせぇな!!わかってんだよ、そんなことはッ!!」
「えっ、なんで急にキレてんの」
「”要領がいい”お前には、わかんねぇよ!」
エースがデリカシーのない言葉を発してしまったことで、次はデュースが声を荒げ、エペルと同じようにボールルームを出て行ってしまった。
原因のエースは全く悪びれている様子がない。
「はぁ~~~?なんだよあれ。意味わかんね」
「いやー…今のはちょっと無神経かも…」
『ペースは人それぞれなんだからさぁ…』
「エース、オメーもうちょっと相手の気持ち考えたほうがいいんだゾ」
「それ、グリムにだけは言われたくねーんだけど?つーか、なんで出来てるほうが足引っ張ってるヤツに気を使わないといけないわけ?同じだけレッスンしてんだし、出来ないほうが悪いじゃん。こんな総叩きされる意味がわかんないんですけど」
「………ハァ、やれやれ。これじゃ練習にならないな」
2人もいなくなってしまい、残ったメンバーの空気感からもどうしようもないと判断したジャミルは休憩を提案した。
「ジャミルくんに賛成だ。ブレイクタイムにしようじゃないか」
「おう!一休みして気持ち切り替えていこうぜ」
「はぁ、仕方ないわね……」
練習にならないのはジャミル以外のメンバーが見ても一目瞭然だったので、反対する者はいなかった。
マネージャーと補佐のユウ、グリム、エディシアはデュースの様子を見にいってみることにした。
「——”Mira,Mira”教えてちょうだい」
「はい。なにを検索しますか?」
「今この時、最高に美しいのは誰?」
「”美しい メンション数第一位 アカウント”についてのWeb検索結果は……ネージュ・リュバンシェです」
「…………努力すれば報われるのは、おとぎ話の中だけよ」