5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『……はい、ありがとうございます。まずは入りと終わりのタイミングがバラバラ。それを合わせるだけでもかなり変わります。しっかりリズムを意識してください。あとは…』
翌日。
今日は歌のレッスンを重点的に行うということで、エディシアもレッスンを指導する日となった。
ヴィルも知識と技量はあるが音楽に関してはエディシアが特化しているため、進行はするがあくまでもエディシアといった具合いだ。ヴィルがメンバーをチェックしていると練習で動きを合わせることが出来ないため、そういった点でもこの白猫がちょうど良かった。
「それではもう一度頭から合わせてみて、それからメインとコーラスに分かれて練習しましょう」
『はい、それでお願いします。その後改めて全体で合わせてみたいですね。ユウ、音ちょうだい』
「了解」
エディシアの指示でユウがオーディオプレイヤーから曲を再生した。
ヴィルのソロから始まり、コーラスたちが入る。そして曲は進んでいき、最後まで歌い切ったところで再度改善点を共有されると、チームごとに分かれての練習となった。
チームごとではヴィルとエディシアが交代で練習を見ていく。
『…ではメインボーカルチームよろしくお願いします。ここのチームは肝心の声にまだ硬さがありますね。柔軟体操を入念にしてみましょう。まず足を開いて中腰になってください。手は太ももに。この体勢でゆっくり左右に捩じります。深呼吸は忘れないで』
「いてててて!」
「エペル。あまり無理にやると逆に痛めるぞ」
『ジャミル先輩の言う通り。これからのストレッチに加えてもらうから徐々に慣らしていこう。次は手を後ろで組んで………』
エディシアの動きをマネてジャミルとエペルが柔軟体操を行う。
一通り終え、サビを歌うと先ほどとの違いにエペルが驚いた。
「すごい、さっきより歌いやすい…!」
「俺は唇の振動だけで歌う練習法が新鮮だったな」
『コーラスチームにもいくつか同じ柔軟はしてもらいますけど、メインは少数かつソロがある故、特に声の良し悪しが顕著に出ますから。あとは細かい音程や表現ですね』
やがて交代の時間となり、次はコーラスチームにエディシアがやって来た。
ヴィルにしっかりしごかれたようでデュース、エースは同級生の顔を見て安堵の表情を浮かべた。
「先ほど聞こえたメインボーカルチームの歌声が見違えるほどに変化していたのが私にも聞こえたよ。どんなテイスティングを我々に施してくれるのかが楽しみだ!」
『このタイガーに任せてください。…さっそくなんですがコーラスチームは音程ですね。つられそうになるのか、まだふわふわしている様子があります。一旦今より歌いやすい状態にするために、さっきメインボーカルチームに教えた柔軟を伝えますね』
エディシアはヴィルの指導後の状態を確認したのち、先ほどの柔軟をコーラスチームのメンバーにも行った。
その後の反応と変化はメインボーカルチームと同じものだった。
『……エースとカリム先輩は抑えすぎて覇気がないな。2人とも普段からはっきりした声質や話し方だからイメージしずらいのかも。……〜~〜〜♪……こんな感じの勢いでくれる?』
「…いや、うまっ!」
「これでステージに立たないなんてもったいないな…」
『歌は好きだけど公に出ることはしないって決めてるから。曲作りでいっぱいいっぱいだったし』
「たしかに、オーデションのころにはエディシアくんのサファイアのような青い瞳が、ひどく淀んでしまっていたね。無理はよくない」
エディシアが参考として歌ったそれは、1フレーズと短いものであったが十分なクオリティだった。
しかし自身を偽っている関係と家庭の方針から写真、映像を伏せている。
全世界に姿が映し出される〖VDC〗なんてもちろん論外だ。
『それより今のでイメージできた?前には出ないけどテンションはメインと一緒じゃなきゃいけないから難しいよね。多少マイクの音量調整はしてもらえるだろうけど』
「俺はなんとなく掴めた。真似る相手がいるとわかりやすくていいわー」
「う~ん……~~~~♪……こんな感じか?」
『いいと思う。あとは何回かやってイメージを固めていこう。そしたら次は……』
その後も練習が続き、全体で合わせてみるとだいぶ仕上がりが良くなったことで、昨日初めて合わせたときと同じテンションのリアクションがカリムたちから出た。
『というわけで、これからは先ほど行ってもらった柔軟とアルペジオを追加してもらうのでよろしくお願いします』
「その、あるぺじお?ってやつはドミドミ言ってたやつなんだゾ?」
『ドミソド ドソミド 基本は音階ですよ〜♪……これ、僕が幼少期にやってた基礎練』
「は?やけにふざけた歌詞だと思ったら」
『文句なら僕くらい上手くなってから聞いてあげるよ』
「基礎練は基礎練よ。ま、歌詞くらいはどうにかしてほしいけれど」
グリムの質問にエディシアがニヤリと返す。
エースは不服そうに口を尖らせ、ヴィルも反対ではないもののイマイチな反応を示した。