5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「各自柔軟体操が済んだら、集合して。〖ボーカル&ダンスチャンピオンシップ〗で発表する曲が仕上がってきてるわ」
『苦労が多く難産でしたが、自信作です』
「改めて考えると学生の音楽発表会なのに、オリジナル曲というのはすごいですね」
「ここ数年の〖VDC〗ではオリジナル曲の制作は常識よ」
〖ボーカル&ダンスチャンピオンシップ〗は、歌唱力とダンス技術。そして自分たちに似合う曲を選べているかが評価基準となっている。
似合う曲というのは、エレメンタリースクールの学生が渋いブルースやヘヴィメタルを歌えば、どれだけ歌唱力が高くても声質やビジュアルに違和感があるように、曲にも服や髪型と同じ似合う似合わないがある。
そのため、より演出の完成度を上げるために曲との親和性も求められるのだ。
「そういえば、この大会は会場の投票でファイナリストが決まるんでしたね」
「そう。〖VDC〗で勝敗が決まるのは会場にいる者全員よ。観客も出場者もスタッフも1票ずつ勝者にふさわしいと思うチームに投票する権利を持っている」
「出場メンバーも?それって、絶対に自分たちに入れちまわねーか?誰だって自分たちが一番だ!って思うはずだし……」
「素人考えではそうでしょうね」
基本的には投票先を自分に入れるだろう。しかし実力があるほど自分のことを客観的に評価できてしまう。
そのため自分より優れたパフォーマンスを見ると、自分の心を偽って自らを称賛することを躊躇ってしまうのだ。
「それは……少しわかる気がします」
「自分を、偽る……」
「だからアタシは、胸を張って自分自身に投票できるように最善を尽くす。今回[#da=1#]と用意したオリジナル曲も、その1つよ」
話を聞いたジャミルとエペルがそれぞれに思うところがあるようでこぼした。
ヴィルは今回もそういったことにならないように、何度も作曲担当の[#da=1#]と曲や歌詞をチェックし最善を尽くしている。
曲自体はまだルークも聞いておらず、今回初めて公開することとなった。
「それじゃあ、マネージャー。オーディオプレイヤーで曲を再生してくれる?」
「マネージャー?自分のことでしょうか?」
「アンタ以外に誰がいるのよ。学園長にサポートを頼まれたんでしょう?賞金が欲しいなら、アタシたちのためにキリキリ働きなさい」
「う…わかりました……これも住環境充実のため……」
ヴィルに指示されユウは曲の再生ボタンを押した。
プレーヤーから流れてくる曲の冒頭はボーカルを引き立てるよう静かに始まり、その後軽快なリズムでより引き込まれたメンバーたちは感嘆の声を漏らした。
「ジャンルとしてはエレクトロニック・ダンス・ミュージックでしょうか?」
『正解です。詳しいですね、EDMの正式名称で言い当てるなんて』
「まあな。この曲で踊るなら、アーバンヒップホップ…いや、ヒップホップジャズ?」
「アーバンヒップホップをベースに、ジャズやブレイキン、ヴォーギングを交えて仕上げようと思ってるわ。メインボーカルは3名。それ以外のメンバーにはコーラスとダンスを中心にパフォーマンスしてもらう予定よ」
「えぇ?みんなで歌うんじゃないのか?」
「斉唱は技術がないとがなっているように聞こえてノイジー…。今から7人全員の歌唱レベルを合わせるのは難しい。だったら、それぞれ集中するポイントを作って取り組むべきよ」
『みんなの歌を聞いて、演出の幅が広がるメリットもあるし、いっそ分けてしまおうということになりました』
ヴィルと[#da=1#]が方向性とその経緯を解説したが、デュースとグリムにはイマイチ理解できなかったようで口をポカンとしている。