1章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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ガチャッ ちりん
「…おや、エディシアさん。今日からですね?」
『あ、ジェイド先輩。そうです。名前覚えてくれてたんですね』
「もちろんです。もう少しで新入生が揃いますので、それまで待機していてください」
今日はモストロ・ラウンジの初出勤だ。
ちなみに昨日の体力育成でしっかり筋肉痛を発症しているので緊張も相まって絶不調である。
少しすると今日出勤の新入生が揃ったようでアズールが説明を始めた。
「新入生のみなさん、本日はお集り頂きありがとうございます。改めまして、僕はアズール・アーシェングロット。オクタヴィネルの寮長であり、ここモストロ・ラウンジでは支配人を務めております。お客様の前では支配人またはオーナーとお呼び下さい。ではさっそくですが…」
ここでの主な仕事内容、手洗いやVIPルームなど場所の案内を一通り終えると担当業務の振り分けが始まる。
料理経験のある者から抜かれ、残った未経験者はエディシア含めホールとなった。
初めのうちは片付けと料理の提供をしながらメニューや仕事を覚えていく感じだ。
「何かあればジェイドとフロイドに教育担当を任せてるので彼らに聞いてください」
「ジェイドです」
「……フロイド」
双子が挨拶をする。フロイドは飽き飽きしたような雰囲気で、食堂でのときのような上機嫌さは1㎜も感じられない。
本当に新人を教育できるのだろうかと思ったのはエディシアだけではなかったようで、他の新入生たちも不安そうに顔を歪めている。
アズールは気にも留めていない様子で「最後に…」と言葉を続ける。
「2つお伝えしておきます。1つ目はこのラウンジでのいざこざはご法度です。あくまで楽しくお食事をしてもらう所ですから。もし対応に苦慮するようなお客様がいらっしゃれば相応の対処を致します。方法は任せますがジェイドかフロイドがいれば彼らを呼んで問題ありません」
名門だが、それ故に己の才能を過信した傲慢な生徒が一定数いるようだ。
相応の対処、方法は任せると濁して伝えているあたりに雲行きの怪しさがチラつく。
「2つ目は、望んでいなかったとはいえ自分で給料を得ることになります。お金は稼げるし社会経験になることも間違いないので手を抜かず、キリキリと働いてください。さもないとこの2人が絞めあげてしまいますので。ではもう少しで開店です。1年生が多いので状況次第では僕も手伝います。頑張って稼ぎますよ!」
「「「『(息をするように脅された……)』」」」
新入生たちは突っ込みを入れそうになるのをどうにか堪えた。
周りにいる上級生たちは慣れているのか表情に変化がない。
エディシア含め新人たちは、社会経験とお金がもらえるというのはたしかにメリットなので、怒られないようやれる事を精一杯やろうと決めた。