5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「いらっしゃい…って、なんかすごい疲れた顔してるけど大丈夫?」
『ははは。…ダイジョウブ…』
「全然大丈夫そうじゃないねぇ」
フロイドからの逃亡の後、曲作りに集中するためオンボロ寮に泊まり込むことになっていたため、[#da=1#]がブザーを鳴らすとユウは快く迎え入れた。
イデアへの対価は完了しており近々オンボロ寮へ機材が届けられるとのことで、それまでは忘れないようメモにまとめたり音楽アプリで再現できる部分はデータとして残していく。
『でも本当に大丈夫だよ。なんたってしばらくはラウンジに行かなくていいし、それによって寮長たちに面倒事押し付けられなくて済むから』
「アズールのヤツよく許したな」
『〖VDC〗はマジフト大会みたいなものだからね。「優勝し、しっかり宣伝するように」って条件渡されたよ。どう宣伝すればいいかわからないから、作曲者名をモストロ・ラウンジってことにするつもり』
[#da=1#]が作曲できることは、ジェイドの寮生リストからとっくにアズールにも筒抜けである。
今日は早々にシャワーを借り、[#da=1#]が用意したオンボロ寮での自室で休むことにした。
オンボロ寮は建物自体の規模が他の寮ほど大きくはないため、シャワールームも数人が使える広さの一室のみである。
元々ユウ1人が使っていたため、これからも1人ずつ使っていくということでシャワー問題はすぐ解決した。
お湯が水になったり隙間風もあるが、そういった物理的な面さえどうにかなれば[#da=1#]にとって今この学園で一番の都はオンボロ寮だろう。
「…[#da=2#]、明日から作業始めるんだよね?」
『そうだよ。機材が来たらほぼ缶詰だろうな。授業には出るよ』
「そっか」
シャワーを終えた[#da=1#]がグリムと談話室の暖炉で温まっていると、次にシャワーを浴びてきたユウが声をかけた。
「無理しないでね」と返したユウは[#da=1#]とは別の椅子に座ると神妙な面持ちで続けた。
「…何度か[#da=2#]のユニーク魔法には助けてもらってるけど、性質上触れないといけないでしょ。…もう今回みたいなことにはならないよね」
『あんな珍イベント何度も起こる方がすごいよ。もしまた起こったら知らないフリしてやる』
大きな貸しを作れる分、術者の保全や単位にも影響が出るリスクの高い行為なのだからウンザリするのも当然だ。
それを聞いたグリムは「ある意味運が強いんだゾ」とコメントした。
「……でも[#da=2#]は優しいからまた助けちゃいそう。僕にも誰かを助けられる魔法が使えたらいいんだけど」
『…よっぽどの状況なら考えるかも。それにユウは僕が過呼吸起こしたとき助けてくれたじゃん。あれも、その…立派な魔法だよ』
「[#da=2#]…」
「オメーそれはちょっと気持ちりぃんだゾ…」
『あーうるさいうるさい。そんなのわかってるって。はい、終わり。もう寝るから部屋に戻るよ。いいね?おやすみ』
「え?ああ、うん、おやすみ」
「一息で言いやがった…何気に肺活量あるよな…せっかく泊まりなのに映画見たりゲームしないんだゾ?」
『やること終わったらね』
魔力の欠片もないただの人間なのに、体温とは別の温もりで包みほどなくして苦しみから解放してみせた。あのとき起こった川でのことをまるで魔法だと感じたのは[#da=1#]の本心だったのだ。
しかし実際に口にしてみてあまりのクサさに自分でも若干引いたところをグリムにつつかれてしまい、早口でグリムをユウに押し付けるとそそくさと自室に戻ってしまった。
見届けたユウはグリムに「僕らも夜食とかフォローできることは何かしてあげよう」と提案すると、「息抜きに遊ぶなら相手してやってもいいんだゾ」とグリムが返した。