5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「……ふぅん……みんなありがとう。よくわかりました」
「ウ、ウッス」
それからも3人と祖母がある程度の雑談を交わしていると、祖母は意味深な反応をして終わらせた。その様子にジャックは思わず固くなる。
構わず祖母は「最後に…」と続けた。
「この子とあわよくば付き合えるかも…なんて考えはあるの?」
「「「『は?/はい?』」」」
祖母の口から出てきた斜め上の質問に4人は聞き返した。
一見すると緊張感の無い質問に感じる。
『(これはどっちだ…?yesと答えれば下心ありきということでアウトなのか、noと答えればなぜだと怒ってアウトなのか…)』
「「「(意図を聞け/聞いてください)」」」
今までの溺愛ぶりからどちらの反応もありえる。
3人からのオーラをヒシヒシと感じた白猫は質問を投げかけた。
『えっと…おばあちゃん?なんでそんなことを急に?』
「だって、みんなきっちり受け答えできているんですもの。上手に嘘がつけるのは世渡りするためにも必要なスキルよ」
「「「『えっ』」」」
「マリー…初対面相手ならバレないとでも思った?半世紀以上芸能界のドロドロを見てきてるのよ。年寄りを舐めないで」
『(……何度か危ない目にはあって来たけど…今度こそ終わった)』
祖母は全員が嘘をついていることを見抜いていた。
白猫が幼少のころから祖母に誤魔化しが利いたことは無かったが、それは身内だからだと考えていた。
しかし初対面だろうが画面越しだろうが、祖母には分かるらしい。
誤魔化して切り抜けようとしていたことが見抜かれ、白猫は肩を落とした。
「で、結局どうなの?いくつになっても恋バナが好きだから気になっちゃって」
『…は?』
白猫が呆然と地面に視線を落としていると、祖母から明るい口調で質問が飛んできた。
思わず白猫が間の抜けた返事をした。
「あなたが話を擦り合わせたのもあるんでしょうけど、みんな上手だったわ。1番上手だったのはジェイドさんね」
「おや」
「小さい頃から周りの状況を見ながら動けていたのでしょうね。溶け込むのがとても自然。ジャックさんは逆に1番分かりやすかったわ。でもその分悪意の無さも1番伝わった」
「…いや…それは褒めてるのか…?」
「もちろん褒めてるわよ。そういう誰かのために苦手なことを引き受ける人って貴重なんだから。レオナさんも王族なだけあって、初対面に心情を読み取らせないのが上手ね」
「それはどうも」
祖母は孫が落胆していた様子を気に止めることも無く協力者3人をそれぞれ評価した。
孫と祖母の空気感の差に3人は戸惑いつつも返事をする。
「別に同意の上でお付き合いするなら誰が相手でも応援するわよ。ただもし孫が嫌がったり悲しむような事があれば黙ってないだけ」
『…ただの興味で聞いただけってことは分かったよ。あとは曲に納得してもらえれば在学できるってことでいい?』
「いいわよ。私一癖ありそうな子って好きだわ。もしかしてナイトレイブンカレッジってこういう子たちが多いの?」
『…はは…癖だらけじゃないかな…』
祖母の一旦OKが出たことで、白猫は『それなら曲の締め切りが短いから』と言ってさっさと電話を終わらせてしまった。
妙な緊張感が消え、エディシアが協力者たちにお礼を伝えた。
「強引な終わらせ方だったけど良かったのか…?」
『うん。仮に今ので機嫌損ねても終わらせたのは僕だから。3人の誰かのせいじゃないから大丈夫』
「これで僕たちは次に繋げられましたね」
「ああ。あとはお前次第ってわけだ。俺たちの頑張りを無駄にするんじゃねぇぞ」
協力者としてやるべきことを無事終えられた3人は各々の場所に戻るべく解散した。
1人になったエディシアは深いため息をつき、どうにか次に進めたことに安堵しする。
レオナの言っていたとおり、最後はエディシア自身の力量にかかっている。
〖VDC〗の優勝を目指す理由が増えたことでさらにやる気がみなぎった。