5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「…えっ!?」
「……どうりで磯臭ぇと思えば。どうしてここにオクタヴィネルの副寮長がいる」
「おやおや歓迎されていないようだ。僕もお呼びいただいたからですよ。やはり貴方たちも[#da=1#]さんのことはご存じだったんですね」
あの電話の後はどうにか話をつけ、人目につかない学園の中の林で集合となった。
レオナ、ジャック、ジェイドは[#da=1#]のことを知っている人物がこの3人だということを集まってから初めて知ることとなる。
レオナとジャックは同じサバナクローということで認識しあってはいたが、ジェイドがいたことに驚愕していた。
『…本日はお忙しい中お時間を作っていただき誠にありがとうございます…』
「なんでそんなにかしこまってんだよ。気味わりぃな」
「このあとコイツの婆さん次第で在学か退学かが決まるらしいからな。喉元で爪を立てられているってわけだ」
「ふふふ。まさかご家族で知らなかった方がいたとは」
『あの人なら説得より事後報告でゴリ押ししたほうがいいと思って…』
「もしかして…この中の誰か1人でも不合格とみなされたら…?」
「その場合もこの学園を去らなければならないかもしれないですねぇ」
『もちろんです』
1人に課された責任の重さが認識されたことで静まり返った。
もし唯一自分の発言がきっかけでこの白猫が学園を去ることになれば、この3人の中で自分が一番力不足だったという事にもなる。向き不向きなどはあれど、負けることが嫌いなNRC生の闘志に火をつけるには十分だった。
『今のうちに改めて情報を共有します。おそらく祖母は知っている前提で話をするので。もちろんこれは他言無用です。まず僕の名前は[#da=3#]・ファミーユです。学園内なので念の為[#da=1#]呼びするよう伝えてはありますが、祖母が[#da=4#]と言えば[#da=3#]の略称のことだと思ってください。それと3人のことは前情報として学年・寮・僕との関連性を伝えてあります』
そこからファミーユ家について、この学園を卒業する目的に至った経緯の説明が始まった。
過去に聞いた情報と初めて聞く情報でジャックは混乱しかけている。
「オペラは聞かねぇけど、”カルメン”なら俺でも聞いたことがある。そんなすごいところの家だったんだな」
『目の前に王子様がいるくらいだからそう珍しいことでもないけどね』
「僕も昔アズールの実家へ行ったとき、彼のお婆様がCDを流して聞いていたのを見た記憶があります。たしかテレビにも出てらっしゃいますよね」
「俺はそんな誰もが知ってる曲より、解体予定の建物の中で演奏して倒壊させるMVを考案した父親側の話の方がよっぽど魅力的だと思うがな」
祖母は元々有名だったが、数々のオペラ歌手が歌った”カルメン”を完成させたと絶賛されるほどその曲と祖母の名前がオペラ以外の界隈にも広がる知名度を誇っている。
母は祖母との繋がりを公にされないよう顔出しNGで音楽活動を続けているものの、彼女の作った曲はよくヒットし音楽好きの一般層にも名前をよく知られている。
父は友人たちが結成したジャズグループの専属プロデューサーと、その経験を生かして現役である母のサポートを行っている。
NRCに通うこの白猫は、幼少の頃から数々のピアノコンクールで賞を獲り、全世界が注目するVDCに出演するグループのために今まさに作曲中である。家族全員が音楽に関わっている音楽一家だった。
そのためそれぞれの仕事に影響を与えたくないし、プライベートくらいはゆっくりしようという方針で私生活は全員が未公表にしているのだが、その発案者である祖母が会わせろと言うほどなのだからそうとうな事態である。
「そろそろ時間では?」
「はぁ…なんで俺がこんなことに…」
「知らないふりでもしていればここにいなかっただろうな」
『今さら後悔しても遅いですよ。もしダメだったら退学は絶対巻き添えにしてやる』
最後に軽くやり取りを交わすと[#da=1#]がテレビ電話の発信をした。
間もなくコール音が止み、電話の向こうとこちらのお互いの姿が画面に映し出された。