5章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『…お待たせしましたヴィルさん』
「ヒッ」
『え』
数日と経たないうちに、ヴィルが[#da=1#]に放課後中庭へ来るよう連絡した。
[#da=1#]が到着するとそこにはヴィルと、タブレットがふよふよ浮いている。
浮遊しているだけでも異様なのにそのタブレットからは小さな悲鳴が出た。
その光景に[#da=1#]が固まっていると、ヴィルが「ああ…」と落ち着いた様子で白猫に向き直った。
「彼はイデア。イグニハイド寮3年の寮長よ。寮長会議ですらこのタブレットで参加するような出不精なの。イデア、この子は1年の[#da=1#]」
「ヴィ…ヴィル氏?まさか猫たんもふもふし放題って…」
「十分すぎるサイズ感でしょう?アタシのファンなだけあって毛並みもしっかり手入れされてるわ」
『え?』
ヴィルは事前に「あなたには悪いけど、取引に利用させてもらうわ」とは連絡していた。
[#da=1#]はその意味をたった今理解した。
それに対しイグニハイドの寮長は小刻みに首を振るかのように揺れている。
「いやいやいやいや!拙者は普通の猫たんをもふりたいのであって、猫の獣人なんて陽キャすぎて二次元以外は論外なんですけど!?しかも男!念の為タブレットで来ておいてよかったですわー…ナシナシ。今回の話は辞退させてもらいますはい解散」
『ちょっと待ってください』
「ヒィ!?」
作曲環境を整えるための機材は依頼するとヴィルが話していた。機械関係に強いイグニハイド、しかもその寮長がここにいるあたりこの人がその依頼先なのだろう。
しかし到着した途端失礼なことを言われた上、取引が失敗に終わりそうな状況に[#da=1#]はすかさずタブレットを掴みあげた。タブレットからは「これが取り立てされる側の目線……」と声を震わせている。
『先輩、猫が好きなんですね?それなら僕がルチウスを呼んであげますよ。なんなら他の猫たちも集めてもふもふの海へ案内してあげます』
「…へ?」
『説得できると思いますよ。獣人の僕にも集会に誘ってくれてわりと仲はいいんです。獣人を差別する先輩と違って』
「イヤァァァ怒ってらっしゃる~!」
『一方的に拒否されて悲しいなぁ。どれほど深く傷ついたか、実際にあなたのタブレットに刻みましょうか』
「相手が生身だったら他寮の生徒に勘違いされるわよ……。イデア、それならどうかしら」
「ハイハイハイ!その内容でお願いします!!だからタブレットには何もしないで!放して!すみませんでしたぁ!!」
『OKということですね。ありがとうございます』
イデアはそう叫ぶので[#da=1#]はタブレットを解放した。
バイト前のため寮服で来ていたので、ヴィルの言う通り他寮の生徒に見られたら取り立てと勘違いされそうだ。変に悪目立ちするのはよくないだろう。
「そ…その…ちなみにルチウスたんたちにはいつアポ取れそうなんです?あくまで猫たんたちの予定第一なので急かしたくありませんが、先に頂くもの頂かないと動くつもりはありませんぞ」
『んー……今からはバイトなので、明日話してみます』
「なるべく早めにお願いね。あなたのソフト練習と作曲時間がなくなるわ」
『お任せください。ヴィルさんのためにイデア先輩を猫で埋めてみせます』
「その恰好で埋めるってやめて?しかも拙者よりヴィル氏のためって本人の前で言う?これはアズール氏に苦情案件ですわ…」
イデアから承認が出たため、ルチウスたちへの確認が取れ次第イデアに連絡することとなった。