5章
お名前編集はこちら
この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…序盤のリズムをここにも持ってきて裏で鳴らしたら……うん、やっぱりこっちのがいい』
「………たしかにより統一感や盛り上がりを感じるようになったわね。アンタ、家族に音楽関係の仕事してる人いるんじゃない?」
『!えっ……うわ…!ちょっヴィルさん…!?』
時期としてはアズールがオーバーブロットしてから数日の放課後。[#da=1#]が趣味の一つである曲作りを学校に設置されているピアノで進めていると、突然飛んできた声の主に驚愕し椅子から転げ落ちかけた。
白猫の憧れであるヴィルは「驚かせてごめんなさいね」と言い、再度親族について聞いてきた。
「アンタの雰囲気、見覚えがあったのよ…ようやく思い出せたわ。あなた…歌、ハープ演奏も手掛ける作曲家、"ダッチェス"の子どもでしょ」
『…根拠でもあるんですか?』
「話したことはないけれど何度か見かけたことはあって、真っ白な毛並みと瞳の色が印象に残ってたの。それだけなら他にも探せばいるでしょうけど、ルークから作曲、既存曲のアレンジを次々即興して演奏していたと聞いて確信したわ」
『……そういえばルーク先輩は副寮長でしたね』
ヴィルはドラマやモデルだけでなく、舞台で演じることもある。見かけたというのはその板の上で使われる音楽の作成に[#da=1#]の母が携わっていたからだろう。
母は基本メディアに出て歌や演奏はしないと決めている。そのため祖母より知名度は劣るが、数々の有名アーティストたちに曲を提供していることから音楽業界では有名なのだ。
[#da=1#]が作曲するようになったのも母の影響だ。
「そんなアンタに折り入って相談があるのだけど、来年のヴォーカル&ダンスチャンピオンシップ…〖VDC〗で披露する楽曲の作成をしてみない?」
『…………え?』
ヴィルの提案に[#da=1#]は自身の耳を疑った。なんでも、次の〖VDC〗にヴィルが出場するというのだ。
さらに報酬はヴィル自らが[#da=1#]に合わせた化粧品、スキンケア、ヘアケアの一式をオーダーメイドすると提案を持ち掛けた。
『……本当に…?え……明日死んでもいい……』
「死なれちゃ困るんだけど…。やるからには作曲環境の用意も協力するわ。仕事だからチェックの厳しさを緩める気は無いけれど、その才能と実力なら完成させられるわよね?」
今まで曲を作っても身内で楽しむ程度で終わっており、憧れの人物に提供できる機会が来るとは思っておらず必死にこの状況を脳内で整理していた。今、たしかにヴィル・シェーンハイトが直接依頼しているのだ。
メンバーの練習や学校生活を送りながらの制作を考えると正直期間が欲しいところだが、[#da=1#]の答えに迷いはなかった。
『……やります……やらせてください。ファン冥利に尽きますから』
「…決まりね。ありがとう。年明けにチームメンバーのオーデションを行うから、メンバーが決まるまでは環境作りの準備や構想を練りましょう」
こうして正式にヴィルと[#da=1#]はVDCに向けて作曲の契約を交わした。
期限の短さに対して求められる仕事量と質の高さが逆に闘志を燃やした。
『(評価の基盤となる自分の曲で、ヴィルさんをトロフィーまで導いてみせる)』
機材はヴィルがどうにかするとのことで連絡を待つこととなった。
彼と連絡先を交換できたことと構想を練るのに夢中になったことで、ハイになった[#da=1#]はその日眠れなかった。