4章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「パワー…絶大なるパワーだ!」
「ギャー!やっぱこのバケモン、こえぇんだゾ!」
「キツいパンチを食らわせてやる!」
ジャミルと化身がカリムたちに襲い掛かる。
サポート組は化身の対応を主に行い、カリムはジャミルとの攻防に専念する。
しかしカリム1人だけというのはさすがに無茶だったようで防戦一方となっていた。
「ハハハ!カリム!オレに手も足も出ないじゃないか!やはりオレこそがスカラビアの真の支配者だ…!」
「彼はどれほどの魔力を内に秘めていたのか…」
「オレは…オレは絶対諦めない!」
「でもラッコちゃん、そろそろまずいんじゃない?」
「そうか…わかった!」
アズールの言う通りジャミルの魔力は凄まじいものだ。時空の果てまで吹き飛ばすほどの魔法を使っておきながら、ここまでオーバーブロット状態を維持しているのだから。
ただその分、これ以上引き延ばしてはジャミルの魔力残量が危ない。
おそらくこれが最後の当たり合いになるだろう。
「ジャミル!本当にすまなかった…!でもこんなのは間違ってる!」
「間違い?お前が俺を説教することこそ間違えてるんじゃないか!?アズールたちや寮生が巻き込まれたのも、元を辿れば俺を追い詰めたお前のせいなんだからな!」
「…でも、話してほしかった!」
「!!」
「[#da=2#]!頼む!」
『了解!』
カリムは突如ジャミルの懐に飛び込み”枯れない恵み”で意表をついた。
大きく怯み隙ができたことで、カリムの合図と同時に息を潜め続けていた[#da=1#]が物陰から飛び出しジャミルを押し倒す。
大富豪アジーム家長男の従者だ。もちろん力も体術も勝てるとは考えていないが、関節を抑え抵抗されないよう確実に抑え込む。
「ぐっ…[#da=1#]…!?こんな温い抑え込みでこの俺に挑むか!」
『無理です。なのでどんどんけしかけます!〈貴方が消えれば私は悲しみ…』
「なに!?この…!」
「そうはさせねぇぞ!」
「えぇ。僕の寮生の仕事の邪魔はさせません」
詠唱中に化身が[#da=1#]に襲い掛かったのをカリムとアズールが防衛魔法で防ぐ。
すでに寮生たちを操る集中力もないようで、戦える人数ではこちらが優勢だ。
『私が消えれば貴方は喜ぶ〉…うぐっ!』
「[#da=2#]!?」
ジャミルから出ているヘビたちが[#da=1#]に嚙みついた。
複数の箇所に走る鋭い痛みに力と魔法への集中力が緩み、それに乗じてジャミルが振りほどこうとする。
ここで抜けられてはいけない、とギリギリのところで唱えた。
『っ…〈次会うときまでさようなら〉"眠りの国"!』
「な…!くそ、力が…!」
『間に合った…!』
呪文を唱えたことでジャミルからミルクの入ったティーカップが現れ、化身が姿を消した。
そして徐々にジャミルの姿も元の状態に戻り意識を失う。
「これで…一番に…自由になれたと…思ったのに…」
『…うっ…』
[#da=1#]がカップを手に取りその場でうずくまる。
最初に駆け付けたグリムが「うわ!」と口を開いた。
「[#da=2#]!オメェ血が出てるんだゾ!?」
「先に傷の手当しないと…毒が入ってるかもしれない」
「ちょっとごめんな………うん、毒はあるけどそんなに強くはないはずだ。痺れが少し続くくらいだと思う」
『…わかるんですか?』
「ああ。毒の鑑定は得意だからな。後遺症が残ったり命に関わるほどではないから安心してくれ。大丈夫、俺を信じろ」
カリムが血を数滴分ふき取り色や匂いを確認すると危険性は低いとのことだった。
家柄特有なのか物騒な特技があったものだ。余計な嘘はつかないことを知っている[#da=1#]たちはそれを信じることにした。