4章
お名前編集はこちら
この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「[#da=4#]![#da=4#]!!」
「…こんの…!」
「う、ぐ…!」
『ちがう…考えるな…大丈夫…』
「[#da=1#]さん?」
『…』
「[#da=1#]さんどうかしましたか?もう少しで着きますよ」
泳ぎ始めてからしばらくするとジェイドが[#da=1#]に声をかけた。
川の水の冷たさなのか別の理由からなのか手が震えている。
このときすでに[#da=1#]のストレスはかなり危うい状態だった。
『(あれ、何か苦しい)』
「…[#da=1#]さん?返事をしてください」
「?[#da=2#]がどうかしたのか?」
『(呼吸って、どうやるんだっけ)』
「もしかして…ジェイド、いったん陸に上がりましょう。おそらく過呼吸です」
ジェイドがフロイドに声をかけ、急遽川からあがることになった。
アズールが力の入らない[#da=1#]を岸にあげるも、変わらず呼吸がまともに出来ていなかった。
『(どうしよう…怖い…早く治まれ…治まれ…こんなのタイガーじゃない…怖い……息できない怖い怖い怖い)』
まともに膝をついているのもままならくなっていた。
頭も上がらない状態で俯いていると何かに包み込まれる。誰かが[#da=1#]の背中をゆっくり優しく撫でるように叩く。
「大丈夫。もう大丈夫」
『………』
「僕に合わせてゆっくり息を吐いて、吸って」
相手が背中を叩くのと同じスピードで深呼吸しているのを感じる。[#da=1#]はそれに合わせていくうち徐々に呼吸が落ち着きを見せてきた。
意識がはっきりしてきたことで同時に声の主も理解することができ、しがみつくように手をまわす。
『(ありがとう…ユウ)』
[#da=1#]は彼の腕の中でもう一度深呼吸をして涙を拭き、立ち上がろうとした。
目的を忘れていないため時間のロスをしたという考えがよぎっていたのだ。
『…ごめ…もう…いこう…』
「だめだよ、まだ呼吸が安定してないでしょ」
『すぐ…良くな、る…から…』
「監督生さん…失礼ですが、貴方はご自身と背格好の近い[#da=1#]さんを運べますか?」
「え?うーんどうかな…途中までなら…お恥ずかしながらあまり鍛えていなくて…」
動かない足で立ち上がろうとする[#da=1#]に待ったをかけるユウに、ジェイドが質問を投げかけた。
返答を聞いたジェイドは、それなら自分が[#da=1#]を担いでいくと宣言した。
「こうなったのは一番異変に気づける位置だったはずの僕の責任もあります。幸いスカラビア寮までは徒歩で辿り着ける距離ですのでそれまでは。[#da=1#]さんもよろしいですね?」
『………、…お願い、します…』
ジェイドの提案に[#da=1#]は首を横に振ろうとして止まる。
少しして力なく首が縦に振られた。
この状況で自分に拒否権は無いと判断したようだ。
「ではしっかり掴まっていてください」
「…寮は見えてきてるからお前は気にしないでゆっくり休んでろ。水飲むか?」
『ありがとう』
同意を得たのを確認したジェイドが[#da=1#]を抱えると、カリムが寮までの距離を気にしていた様子の[#da=1#]に声をかけた。
"枯れない恵み"で生成された水を飲んだことでまた少し落ち着きを取り戻したようにも見える。
「カリムさんの言う通りです。今はゆっくり呼吸をして落ち着かせましょう」
『はい…』
ジェイドは一旦目的を忘れろとでも言うように[#da=1#]の頭を自身の方へ向けるよう添えた。
そこからしばらくはジェイドがエディシアを横抱きに抱え進んでいく。
やがてスカラビア寮まで目と鼻の先まで来るころには気持ちも呼吸も落ち着き、最終的には歩行も問題無いほどの回復を見せた。
『ご心配とお手数をおかけしました…もう大丈夫です。一緒に戦えます』
「本当なのか?実はしんどいとかないよな?さっきジャミルがオーバーブロットしたときも様子が変だったし…オレは無理させたくないなぁ」
「本人が平気っつってんならいーんじゃない?」
「えぇ。それに時間的にも僕に使ったときの魔法が必要ですから、彼には最後だけでも参加いただいた方がいいでしょう。ギリギリまで休んでいてください」
『足を引っ張った分頑張ります』
[#da=1#]の魔法の仕組みの説明と併せて、これからの作戦を話し合っていくこととなった。
助っ人の望めない少人数という状況では一人一人の責任が重くなる。失敗は許されないのでどうジャミルを止めるかしっかり役割と動きを決めた。