4章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「学園長の弱みが握れれば…やっと俺は自由になれる…学園からカリムを追い出し、寮長になれるんだ!」
「……話は聞かせていただきました」
「!?」
ターゲットの本心が聞けたところでジェイドが声をかけた。
不意を突かれたジャミルは驚きの表情を浮かべる。
そりゃ本心を口にしたらこれだけの大勢に聞かれていたのだから驚くのも無理は無い。
「やっと本性現したんだゾ!よくもオレ様たちを騙してくれたな!」
『外面の良さは僕らと似てますね。まんまとやられました』
「なっ……お前たち、どこから聞いて…!?」
「最初からすべて、ですよ」
談話室を出てからの2人の会話はずっとアズールのスマートフォンから全世界にライブ配信され、5000人以上のユーザーが現在視聴しているとネタばらしをするとジャミルは唖然とする。開いた口が塞がらないとはこのことだ。
談話室で視聴していたという寮生たちもジャミルの元に駆け付ける。
「今までずっと、寮長や僕たちを騙していたと…!?」
「いい人ぶっておいて、ひでぇヤツ!とんだ嘘つき野郎なんだゾ!」
「そ、それは…、違う、俺は…っ」
「もう言い逃れは出来ませんよ。アズールに使った洗脳魔法が動かぬ証拠。ジャミルさん…貴方こそユニーク魔法でカリムさんを操り、スカラビアを混乱に招き入れた黒幕だ!」
「……ッ!」
ジェイドは何故かノリノリな様子である。この状況を絶対楽しんでいるであろう。
ジャミルはやけくそになったか、洗脳系ユニーク魔法の”蛇のいざない”をかけたというアズールに拘束するよう命令をした。
「くっ…、アズール!いけません。正気に戻りなさい」
「呼びかけなど無駄だ!」
「はい。僕は、ジャミル様の忠実な下僕……な、わけないじゃないですか」
「…なにっ!?」
アズールが命令に背いたことでジャミルはまた驚愕した。
オクタヴィネルの参加からことごとく計算を狂わされ続け同情しそうになる。
「どういうことだっ?確実に目を見て、洗脳したはず…!」
「僕はいつでも万全の対策を練ってから行動を起こす堅実な魔法士ですから。ねぇフロイド」
「ウミヘビくんさぁ、ちょっと油断すんのが早かったんじゃない?」
『ん"っ…ふふ…』
「ふな"っ!?オメー、なんだその声!?」
アズールから名前を呼ばれたフロイドの声は普段とは全く別の渋い低音だった。
ただ聞き慣れないだけではなく、声だけ突出して年齢にそぐわない渋さも感じさせる。
フロイドはアズールに自身のユニーク魔法、"巻きつく尾"を差し出す代わりに低い声をもらうという契約を交わしていたのだ。
「僕はフロイドから巻き上げた…もとい、担保に預かった"巻きつく尾"を使いジャミルさんの洗脳魔法を回避した。そして、操られたフリで、油断したジャミルさんから真相を聞き出した…というわけです」
「さすがアズール!むちゃくちゃ性格わりぃんだゾ!」
「頭脳派と言ってくれませんか。ま、カリムさんがジェイドのユニーク魔法にも屈さないほど強く想う相手など彼しかいないだろう。…と予想がついてたからこそ立てられた作戦ですがね」
さらなるネタばらしがされたことで、真犯人であるジャミルはついに硬直する。
完璧な作戦だと思っていたはずが破られたのだから、誰でもこうなるだろう。
「ジャ……ミル?これは一体…どういうことだ?」
そして長く連れ添った従者の真実を知った主は、まだ頭の整理がついていない様子で尋ねた。