4章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『………なるほど…でもやっぱり一発殴らせて』
「う"ぐっ…もう殴ってる……わざわざ休み中なのにすみませんでした…」
「僕たちも驚いたんですよ。夜中に突然転がり込んできたんですから」
夜、空き室に案内された[#da=1#]はユウたちから事情を聞いた。
カリムによってスカラビア寮生が帰省できず過酷な特訓を受け、食事を頂くだけだったはずのユウとグリムもそれに巻き込まれてしまったらしい。
監禁部屋から宝物庫にある魔法の絨毯で逃げ出したはいいものの、制御不能となり突っ込んだ先がオクタヴィネル寮のモストロ・ラウンジで、事情を聞いた人魚3人が今日乗り込んでみたとのことだった。
つまり、ユウとグリムがオクタヴィネルの3人といるのは偶然だというのだ。
『でもいつもの陽気なカリム先輩だったけど、本当にあの人が監禁なんてしたの?』
「機嫌が悪い時のカリムは、もっと目も釣り上がってて怖い感じで喋ってるんだゾ」
「…それは機嫌の良し悪し、なのでしょうか?」
「どーゆーこと?」
ジェイドはカリムの様子を実際に見て、フロイドのような気分の浮き沈みが激しい印象はないため別の要因ではないかと感じたそうだ。
「マジフト大会と期末テストの寮順位が悪かったせいだってジャミルは言ってたんだゾ」
「え~?ラッコちゃんってそんなの気にするの?」
グリムがラッコって誰のことだ?という顔をする。
ジェイドがカリムのことだと説明し、グリムについてもどう呼んでいるかも教えた。「"丸々として"愛らしいシルエットに親しみを込めてアザラシちゃんと呼んでいる」と。グリムは不服そうだがユウと[#da=1#]は案外的を得ていると思った。
「ラッコちゃんは、いつも太鼓叩きながらニコニコしてるからラッコちゃんでしょ」
「そうですね。彼はいつも朗らかで、成績が悪かったくらいで情緒不安定になるタイプには思えません。やはり、原因は別にある可能性が高そうですね」
機嫌云々の可能性は低いと考えたアズールは、ジェイドにカリムと"お話し"するよう提案した。
[#da=1#]は説明を聞いてから一度見る機会があったが、できれば今後"お話し"を受ける側にならずに済みたいと心底思っている。無意識に思ったこともそのまま口から出てしまうのは非常に恐ろしい。
「じゃあ、そのあいだオレはウミヘビくんに遊んでもらおっかなぁ」
「それはいい。僕も一緒にお相手していただくとしましょうか」
「「「フフフ………」」」
「コイツら、ずっと目が笑ってねぇんだゾ…」
『僕もまだこの顔には慣れないんだよね……じゃ、僕は自分の寮に戻ってるんでまた明日』
「えぇーせっかくみんなで合宿なんだから残ればいーじゃん。着替えも借りればいいんだし」
「情報共有や作戦会議の効率も落ちますしねぇ」
悪だくみでいつも以上に結託している様子の3人はなんだかこちらまで捕食対象になりそうな気がして少し引く。
苦手だ…と思いながら[#da=1#]が自室で就寝するつもりでいるとストップがかかった。ニヤニヤしながらそこそこ納得できてしまう理由で逃げ場を包囲してきたジェイドを睨む。彼は明らかに楽しんでいた。
『他人の匂いがする服をまとってたら眠れないんですよ』
「落ち着かないって人いるよね。じゃあまた後で集合ということで」
「…[#da=2#]ってたまに凄く付き合いが悪くなるんだゾ。さっきもみんなで風呂に入ると思ったらアイツだけ後で済ませるって来なかったし。豪華風呂を独り占めするつもりか?」
「まぁまぁ。そういう気分のときは誰だってあるよ」
グリムはそばで突然大きな声を出したり、今も部屋を出てすぐ本人の話をするあたり、[#da=1#]が獣人であることをよく忘れるようだ。