4章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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『………ふう…………ただいま』
「…!…おかえり」
白猫は闇の鏡を通り、久々に嗅いだ実家の匂いに肩の力が一気に抜けた気がした。
「ただいま」と、久しぶりの身内に久しぶりの言葉を使うのも歯がゆい。
初めに迎えたのは白猫の父だった。
「今ママはキッチンにいるよ。ママ、ママ!」
「なぁにあなた。もしかしてもう着いたの?……まぁ!」
『ふふ、そのもしかしてでした』
「[#da=4#]!おかえりなさい」
『ただいま。パパ。ママ』
白猫は両親にハグで久々の挨拶を終えると、さっそく自室で部屋着を身にまといリビングに移動した。
キッチンからは好物のクリームパスタの香りがする。もう少しで完成するようだ。
母も白猫であり、瞳の色も含め見た目は母からの遺伝が強い。いわゆるお嬢様である。
父はこの家で唯一オレンジの毛色を持つ猫で、元は孤児だったそうだ。しがらみがない分自由に世界中をまわっていた。
お嬢様と孤児で家柄は雲泥の差だが、母が足をくじいて立ち往生していたところを一目惚れした父が助け、そのまま音楽好きで意気投合し最終的に結婚した運びとなる。
「おばあちゃんは明日の昼頃着くって」
『そっか…そのころにはちゃんと[#da=3#]に戻ってなきゃ』
「…そうだな、今の仕草は髪の長さも似てるのもあってたまに[#da=2#]を思い出す」
「役者目指せるんじゃないかしら。…はいどうぞ。あなたの好きなクリームパスタよ」
『あー久しぶりのママのクリームパスタ…いただきます』
白猫は数か月ぶりに目の前に出てきた母親のクリームパスタに目を輝かせる。
口へ運ぶとミルクの風味が鼻を抜け、調味料やバターがコクを感じさせる。幼い頃から好んでいたいつものあの味だった。
「それにしても本当にすごいよな。まさか冬休みを迎えるまで過ごせてるなんて。さっきの[#da=4#]を見て改めて魔法道具がちゃんと効果発揮してて安心した」
「魔法道具ももちろんだけど、[#da=4#]は昔から器用だったもの。このまま2年生も迎えられるかも。はじめは反対してごめんなさいね」
『ううん。ぼ…私もママとパパと同じ立場だったら絶対反対してたし、もしかしたら馬車に乗せないように妨害してたかも。信じてくれてありがとう』
「ふふ、向こうではずっと”僕”だったものね」
「数カ月意識してたんだ、すぐには難しいさ。…そうだ、好きだった歌なんてできてなかったんじゃないか?パパのジャズ仲間も呼ぼうか?」
『会いたいけどこの時期って忙しいんじゃない?あとで少し篭るつもりだから大丈夫だよ』
食事中の間は改めて寮や授業、友人についてなど話を聞かせてほしいと言うので、メッセージだけでは説明しきれなかった部分を2人に伝えた。
…契約違反の取り立てや護身術が思いのほか大活躍していることまでは伏せた。