4章
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この小説の夢小説設定物語の都合上、略した名前・略さない名前が2つずつあります。
ご自身の名前を使う際、ストーリー後半からになりますが
「主人公 名前」「主人公 名前略称」に登録すると読みやすいかと思います。
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「冬の寒さを逃れ、南国で穏やかな海を眺めつつハンモックでココナッツジュースを飲む……そんな優雅なバケーションを満喫しようなんてちっとも思っていませんとも」
『(満喫するつもりだったな)』
ユウを元の世界に戻すための手がかりを南の地域にも捜索範囲を広げるためで、あくまでこの格好はその地域の正装なのだと言う。
「それに、君たちには学園に残り重要な任務にあたってほしいのです」
「また調子のいいことを。その学園の存続って?」
なんと、その任務をこなせば休暇中の食糧はもちろん、ホリデーのご馳走についても約束するのだという。
いくら重要な任務とはいえ、浮かれきった学園長の口にした事は信用ができない。
それなのにグリムはまた乗り気になってしまった。少し前に都合のいい話に頭を突っ込んで痛い目見たはずなのだが…。
任務内容は、普段この学園を火の妖精の魔法が暖めてくれているのだが、彼らが住み着いている大食堂の暖炉の火の番を頼みたいというものだった。
毎日よく乾燥した薪を与えなければ暖炉の火が消えてしまい、そうすると火の妖精も去り学園は暖房無しで冬を過ごさねばならないそうだ。
「今までは長期休暇中も厨房係のゴーストが火の番をしてくれていたのですが…今年は娘夫婦にお子さんが生まれたそうで、初孫の顔を見にあの世へ帰省するんだとか」
『…ゴーストに初孫とは…?』
「…これも食糧確保のため…深い事は考えちゃだめだ…」
たしかに毎日薪をくべるのさえ怠らなければ寒さに震えることはないし、飢えることもない。
ホリデーのご馳走に関していささか信用は難しいが、それ以外は裏もなさそうなので好条件といえる。
さらに学園を長期不在にするからということでスマホがユウに支給された。緊急連絡手段ということらしい。
「にゃっはー!コレでホリデーはご馳走がたんまり食えるんだゾ!」
「な~んか体良く丸め込まれた気がすんな…ま、お前らがいいならいいけどさー」
『スマホまでもらえて…しごく真っ当の理由なのに気前の良さが逆に不気味…』
帰省する生徒への対応で離れる学園長を見届けたところで聞き覚えのある声が飛んできた。