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セイバーたちの話

ぎしぎしと木のきしむ音がする。
しばらくして音が止まると、背の高い青年が現れた。
「マスター。随分騒がしいが、何かあったか」
およそ現代には似つかわしくない服装の男だが、不思議と似合っている。それこそ、白馬の王子様の如く。
まぁ、それを夢想した少女は、すでに赤い血溜まりに沈んでいたが。

「あらセイバー。私は平気よ?」
まるで一仕事終わったかのような口調で、女が嘯く。
「そうか。だが、この少女は?」
そう彼が指したのは、先ほどまで泣き叫んでいた少女。
「ああ、その子?あんまりにも煩いから黙らせたのよ。今から諸々の手続きがあるから、少し待ってて頂戴ね」
まるで今からディナーにでもするから、と言わんばかりに。先ほど娘を刺殺したとは思えぬ素振りで、彼女は青年に返答する。
「ふむ。そうかマスター、承知した。では少し失礼しよう」

そう言うと、彼は先ほど見た血の海のそばに──死にゆくばかりの少女の元に、歩み寄ったのであった──。
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