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序章

魔法陣の中に表れた少女。
少々痩せているとはいえ、十分な美貌を誇る。真名こそ不明だが、彼女こそこの聖杯戦争に召喚された英霊の一人。
「──」
その美しさに――黄金律に依らない、人間的な美に――少年は、息を呑む。しかしそれも一瞬のこと。
「……あんたが、バーサーカーだな?」
こくり、と少女が肯く。部屋を包む暗闇故に表情はうかがえないが、彼女は自らの狂気を肯定した。
「召喚は成功、か」
少年の呟きを肯定する者も否定する者もおらず、ただその声は暗闇に飲み込まれる。
「……俺は玉垣累たまがきるい。あんたのマスターだ。しばらく、よろしくな」
その言葉にすら、彼女は反応せず。
ただ、濁った瞳で彼を見つめ続けた──。
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